パブリック・リレーションズ

2009.06.22

新刊本を発行します〜「説明責任」についての本

こんにちは井之上喬です。
皆さんいかがお過ごしですか。

最近企業の不祥事や政界で問題が起きるときまって耳にする言葉があります。「説明責任」です。この言葉が出てくるときは必ず何らかの問題が生じているときです。しかし、日本中を駆けめぐるこの説明責任という言葉は、よく耳にしてもその本当の意味を理解している人は多くないように思えます。

説明責任(アカウンタビリティ)はもともと公共機関での会計学で使われていた用語ですが、いまや民間企業や教育現場にも拡大しています。このたび、この説明責任をテーマにした本をPHP研究所から新書として上梓することになりました。発売は7月中旬の予定。今日はそのエッセンスをご紹介したいと思います。

書くにいたった理由

いま世の中は混乱状態です。特にサブプライム問題の後遺症は重く、経済、政治、社会などのさまざまな分野でひずみが露呈し、多方面で難問が噴出している感さえあります。

このようなときに、起こっている問題に対する国民や納税者の疑問の声は高まり、その原因究明について説明責任を果たすことを要求する声も高まるばかりです。特に混とんとする日本の政治に対し国民は、いまの状態が一人ひとりの生活に深く影響を与えかねないことを憂慮し、看過できない状況を明確に認識しはじめたといえます。

小沢一郎公設秘書問題における小沢前代表側と検察双方の説明責任。また、先日の鳩山総務大臣辞任の際にみられた、大臣自身の説明責任や大臣任命権者である麻生首相の説明責任。これらは、説明責任とは何なのか?一国のリーダーが果たすべき説明責任とはどうあるべきなのかを深く考えるきっかけを与えています。そんな疑問に答えるべくこの本を出版することにしました。

日本に説明責任が必要なワケ

この本では、日本の社会でなぜ説明責任を果たすことが求められているのか?繰り返されるさまざまな問題を通して、責任ある責任のとり方や説明責任の実態を紹介し、パブリック・リレーションズ(PR)の視点から説明責任を見つめています。

私はこれまで、危機管理では数百人規模の犠牲者を出した不幸な事故・事件から食品の賞味期限切れまでさまざまな企業不祥事を扱ってきました。多くの場合、危機管理に対する備えの欠如を強く感じています。クライシス発生時においては、いかに「説明責任」を果たしていくかがダメージの増減に大きな影響及ぼします。こうした面についても、いくつかの事例をとおして解説しています。

そして、どのようなときに説明責任が果たされるべきなのか、また、「倫理」「双方向」「自己修正」の3つの原則を持つパブリック・リレーションズと説明責任の関係についても記し、説明責任の本質に迫っています。

これまでこのブログでも、絆について書いてきましたが、説明責任が果たされている環境と「絆(きずな)」の関係性についても触れています。

さて、どのような本が皆さんにお届けできるのか、ご期待ください。

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