パブリック・リレーションズ
2009.07.13
『「説明責任」とは何か』発売開始〜7月15日から全国の書店で
こんにちは、井之上喬です。
みなさん、いかがお過ごしですか。
先月(6月22日号)このブログでもご紹介した新書が、いよいよ今週お目見えすることになりました。本のタイトルは、『「説明責任」とは何か』(PHP研究所)。15日から全国の書店で発売されます。今日はそのことについて少し触れてみたいと思います。
巷を駆け巡る「説明責任」
前のブログでも書いたように、このところ「説明責任」という言葉が巷を駆け巡っています。TVや新聞、雑誌などでこの言葉に触れない日がないぐらいです。「説明責任を果たしていない」と詰め寄られる企業不祥事の記者会見や国会質問。その多くの場合、説明責任を負う側にも、求める側にも、説明責任が何であるのかその意味を十分理解しているとは思えないような言動が見受けられます。
日本の借金は1000兆円超。国民一人当たり1000万円は時間の問題とされる借金王国です。100年に一度といわれる経済危機や深刻な環境問題、核の脅威など解決しなければならない問題が山積している中で、説明責任を追及する側と対応に四苦八苦のされる側との攻防だけのために貴重なリソースを使っていいはずはありません。
これらの光景をみるのは辛いことです。日本が多くの困難な問題に立ち向かっていくためにも不要な障害を取り除く必要があります。限られたリソースを有効に使うためにも、説明責任が何であるかを理解し、前向きな問題に一日も早く取り組んでもらわなければならないと思うのです。本書の出版はそんな思いで実現しました。
説明責任を見える形に
本書では、説明責任の定義やそのプロセスを紹介し、説明責任の本質に迫っています。本書は8章で構成。冒頭では、日本で説明責任が求められているさまざまな事象を取り上げ、それらの要因がどこにあるのかを社会システムや文化的違いを例示しながら書き記しています。
また、日本における説明責任の実態や説明責任が危機管理とも密接にかかわっていること。さらに説明責任がパブリック・リレーションズに欠かせない要件の一つで、パブリック・リレーションズを実践する上では説明責任が確立されていなければならないことなども記しています。そして、説明責任の果たすための方法論として、「説明責任の基本プロセス」を分かりやすく図式化しています。
説明責任が果たされる環境は、パブリック・リレーションズ(PR)がしっかり組み込まれている環境。読者にはこのことがわかってくるはずです。これにより、無駄なエネルギーを費やすことなく、日本再建のための前向きで思い切った活動が可能となることがわかるはずです。
日本で繰り返されるさまざまな問題。説明責任を追及していくとそこにはパブリック・リレーションズが見えてきます。皆さん、ぜひ手にとってご一読くだされば幸いです。