パブリック・リレーションズ

2006.11.24

PRパーソンの心得5 情報のプロフェッショナルになる

皆さんお元気ですか?

パブリック・リレーションズの仕事は「情報」なしに語ることはできません。この情報過多の時代にあって毎日押し寄せてくる情報とどう向き合い対処するのか。私たちPRパーソンが日々直面している問題といえます。しかも私たちには常にプロフェッショナルとしての行動が要求されます。今回は、PRパーソンの心得5として「情報のプロフェッショナルになる」をお届けします。

情報源という資産を持つ

一言で情報と言ってもいろいろで、インターネットや新聞・雑誌・一般書籍など従来型メディア、そして人から直接得る情報など、多様な情報が存在し様々な入手経路もあります。

グローバルなIT時代にあって一般的な情報を入手するには、インターネットなどのメディアを通して世界中のあらゆる情報へのアクセスを通して行ないます。その際重要なことは、目的意識をしっかり持ち、目標を達成するために必要で役に立つ情報を入手することに集中すること。必要な情報を選別する選択眼を磨き、どのような情報が何処にあるのかを把握しておくことが大切です。

一方、メディアなどで入手できない専門的な情報が必要となる場合は、専門家にアドバイスを受けるのが最良です。つまり、政治、経済、文化、テクノロジーなどそれぞれの分野の外部専門家を情報源として持つことを心がけること。これら専門家とのコンタクトは、PRパーソンにとって大きな資産となります。

また、正確な情報を提供すること。これは情報を扱うプロフェッショナルに最低限求められるモラルです。ですから、情報を入手するときには、その正確性を期す意味においても、一箇所ではなく複数の情報ソースから情報の収集を行なうことが大切です。 重要度にもよりますが、ひとつの情報に対して最低でも2つ、できれば3つのソースで確認することを習慣づけることです。

情報の正確さは加工するプロセスにも意識しなければならない要素です。情報加工には人が介在し、情報を扱う人の解釈が入ります。その解釈に時として主観が入ることもありますが、真実から離れない程度の情報加工でなければなりません。事実から乖離した情報は倫理的問題もさることながら説得力を欠くことになりがちです。真実が、人や状況を動かすといえます。

情報は活かして初めて価値を持つ

初めてパブリック・リレーションズを理論体系化したエドワード・バーネイズが「優れたパブリック・リレーションズの実務家に欠かせないのは、情報をつなぎあわせて活用する能力である」と述べています。情報はそのまま放っておけば、ただのデータです。情報は活用して初めて価値が生まれます。情報を活かして、情報に価値を生み出す能力。これは、PRパーソンに特に必要とされる能力といえます。これに倫理観が伴うことはいうまでもありません。

PRパーソンがいつも意識しなければならないのは、常に全体を把握すること。そして、最適なタイミングで、つまり潮目を読みながら、ターゲットとなるパブリックに伝えたい情報を発信していくことです。その際は5W1Hを頭に入れ、どのような情報を誰にいつ何処でどのように伝えるのか頭に入れておくことが大切です。

早い判断とスピードが求められる危機管理的な状態では、情報は極めて重要となります。すべてが緊迫するなかで、情報のインプットにおける選択とアウトプットにおける選択を瞬時に行なわなければなりません。危機に直面する組織へのダメージを最小限にとどめ一刻も早くクライシス状態から脱しなければなりません。そのためには、状況の変化を予測し、パブリックの求めている情報を効果的に提供する必要があります。日々の研鑽により磨いた能力や感性の真価が問われる瞬間となります。

また、PRパーソンに求められる能力として、一見関連性がないような情報を組み合わせ、まったく新しいものを生み出したり、今まであるアイディアを他の分野に応用し、新しいアイディアを生み出すことなども求められます。そのためには、様々な分野の情報を日ごろから蓄積し、たくさんの引き出しを頭の中に持つことです。大きなスケールで物事を捉え、関連性のないものをつなげてみること。今までの体験を新しいプロジェクトに応用してみることで、思いもよらないアプローチ法が発見できると思います。

PRパーソンは、単なる「情報屋」としてデータの提供を行なってはなりません。一般的に情報屋とはデータとしての情報提供を行なう人を指しますが、PRパーソンに求められているのは、情報をベースにした問題解決や目標達成へのアドバイスです。ですから、私たちの提供する情報は、常に問題の解決に寄与し、目標の達成に資するものでなければなりません。

そして、情報を提供する側に立つものとして、開示する情報には常に責任を持つことが肝要です。これはとても基本的なことですが、パブリック・リレーションズにおける情報のプロフェッショナルとして、忘れてはならないあり方だと思います。

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