時事問題

2016.03.18

総務省が「2015年国勢調査」の速報値発表〜参院「1票の格差」は最大3.075倍

皆さんこんにちは、井之上 喬です。

昨日は彼岸の入りでした。春分の日(3/21:祝日)を中日として彼岸明けとなる7日間を春のお彼岸といわれます。「暑さ寒さも彼岸まで」でという諺がありますが、彼岸明けの頃には桜の開花が始まりそうです。

総務省が2015年国勢調査の速報値を公表しました(2/26)。これによると、国内の大半の自治体で人口減少が進み、人口減少の波は、大都市圏の一部や地方の中核都市にも及んでいるとしています。

今回の国勢調査速報値は、都道府県をはじめ全国自治体の人口や世帯数の増減を伝える第一報。

6月には男女・年齢別人口や労働力の状態、産業・職業ごとの就業者数、そして世帯構成などの統計データが第二報として公表される予定です。

そして、10月には人口等基本集計の詳細データの公表が予定され、順次、人口移動集計(17年1月)就業状態等基本集計(17年4月)、世帯構造等基本集計(17年9月)などの公表が続きます。

続く東京一極集中

都道府県別の人口を前回調査(2010年)と比較すると、秋田県の5.8%減を筆頭に、39道府県で人口が減少しているとのこと。人口減少率が拡大したのは33道府県に上り、大阪府も戦後初めて、増加から減少に転じたといいます。

市町村別に見ても、82.4%にあたる1,416市町村で人口が減少。

減少数が最も多かったのは、政令指定都市の北九州市で、前回調査から1万5,031人減ったといいます。県庁所在地でも長崎、青森、静岡の各市では人口が前回調査から1万人以上減ったとのこと。

この結果について総務省は「死亡数が出生数を上回る『自然減』が毎年大きくなっているためとみられる。人口減少の局面にはっきり入ってきた」と分析しています。

一方、東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の人口は、5年前に比べおよそ50万8,000人増え3,612万6,355人。全国の人口の4分の1以上(28.4%)を占め、東京一極集中は止まっていないようです。

地方創生を成功させるためにも、一極集中問題をなんとかしたいものです。

また今回の国勢調査の速報値に基づき、参院選選挙区の「1票の格差」を試算すると、最大格差は3倍を上回ったといいます。

議員1人当たりの人口が最少の福井(39万3,550人)と比較すると、格差が最も大きかった埼玉(121万212人)は、3.075倍。参院選挙制度改革で実施した「10増10減」により、前回国勢調査に基づく格差は2.97倍に抑えられていたものの、今回の試算では3倍を超えたことになります。

読売新聞が今回の国勢調査結果をもとに、衆院議長の諮問機関が答申した「アダムズ方式」による衆院小選挙区の定数配分を試算したところ、各都道府県に割り当てられる定数は「9増15減」で、東京など5都県で計9増、青森など15県で計15減となったとのこと。

この国勢調査の結果を受けて衆院小選挙区の定数配分につき、与野党間の議論も高まっています。

国勢調査の結果は、上記のような国会議員の定数配分や福祉施策や生活環境整備、災害対策など日本の未来づくりのために欠かせない様々な施策の計画策定などに幅広く利用されています。

第1回国勢調査は1920年

国勢調査は、統計法(平成19年5月23日法律第53号)に基づき、総務大臣が国勢統計を作成するために、「日本に居住している全ての人及び世帯」を対象として5年に1度実施される、国の最も重要かつ基本的な統計調査(全数調査)。

第1回国勢調査は1920年(大正9年)に実施され、2015年(平成27年)10月から実施されている今回の国勢調査は、第20回目となります。

第1回国勢調査では、広報活動の一環として国、地方挙げての宣伝歌謡の募集が行われ、その一部が「国勢調査宣伝歌謡集」として、当時の臨時国勢調査局から出版されています。

この中には、唱歌、和歌、標語、川柳、都々逸など盛り沢山載せられ、調査の趣旨や意義のほか、調査票の記入の仕方、国民の心得まで入っていたとのこと。

下記はそうした作品の一つで1番から10番まである中から(一)と(五)を抜粋して紹介します。

第1回国勢調査が行われた当時の世相を反映していて興味深い内容だと思いました。

(一)国勢調査の目的は帝国版図の人々の
所帯の状態(さま)を精査して善政の基となすにあり
実(げ)にや建国以来の国民一致の事業なり

(五)申告事項は姓名に世帯の主人と続柄
所帯に於ける地位や又男女の区別を明かに
生れし地名と誕生日妻や夫の有る無しも

また,大正9年の都々逸には、「主(ぬし)はわがまま、妾(わたし)は気まま、国勢調査はありのまま」というのがありました。

国勢調査データは、パブリック・リレーションズ(PR)に関わる私たちの情報源として利用価値の高いものであり、もっともっと多くのPR実務家が活用すべきだという感慨をもちました。

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