時事問題
2011.07.11
七夕の日に思ったこと 〜坂本九とスペースシャトルからのメッセージ
こんにちは、井之上 喬です。
東日本大震災から今日でちょうど4カ月が経ちました。
雪の映像が流れた被災地も今は夏、時間は確実に流れていますが、政治の不能と福島原発事故の影響で復興には長い時間が必要とされています。被災された皆さん、特にお年寄りやお子さんは健康維持にくれぐれも留意していただきたいと思います。
さて7月7日は七夕(たなばた)。中国の故事にある織姫と彦星が「天の川」で1年に一度会える日とされています。東京の多くの商店街や駅頭、ホテルのロビーなどには、さまざまな願いを込めた短冊や七夕飾りで彩られた笹が飾られていました。大震災からの、1日も早い復興を願う多くの人たちの短冊も全国で飾られたことでしょう。
七夕といえば有名なのが仙台七夕。仙台商人の心意気を示す豪華な笹飾りで毎年多くの観光客を誘致しています。今年は開催が危ぶまれましたが、8月6日から8日まで「復興と鎮魂」をテーマに開催され、175万人の人出を予想しているとのこと。
暑い夏、いつもの季節より夜更かしをして星空に目を向ける方も多いのではないでしょうか。
夜空に坂本九が甦った
東日本大震災後、テレビやラジオなどは被災地の報道を流し続けていましたが、そんな中で注目されたのが歌手坂本九の「上を向いて歩こう」や「見上げてごらん夜の星を」でした。
私の世代には何とも懐かしい歌ですが、その優しさと詩にこめられた坂本九のメッセージにはこれまで多くの人が勇気付けられてきました。今回も震災後のラジオやテレビのCMソングとして流れるなど、改めて多くの日本人の共感を呼び起しました。
今年はその坂本九の生誕70周年、そして「上を向いて歩こう」(作詞:永六輔 作曲:中村八大)が発表されて50年の節目を迎えるそうです。
ご存知のようにこの歌は、日本国内で愛されただけではなく「SUKIYAKI」として世界70カ国で発売され、1963年6月には日本の曲として初めてビルボード第1位を記録、世界的な大ヒットになりいまでも世界中のアーティストに歌い続けられている名曲。
震災後の多くの反響にこたえ、EMIミュージックは7月13日に「上を向いて歩こう」発売50周年記念でCDシングルとミュージック・テープを発売するとのこと。このCDには、上を向いて歩こう、見上げてごらん夜の星をなど4曲が収録されるそうです。
また、7月16日公開のスタジオジブリの映画「コクリコ坂より」の挿入歌としても、上を向いて歩こうが使われるほか、坂本九関連のDVDや書籍の出版も予定されているようです。
1985年に起きた日本航空123便の御巣鷹山墜落事故に巻き込まれていなければ、今でも70歳の現役歌手として心に染み入る、美しい歌声が聴けたかもしれないと思うと残念です。
最後のスペースシャトル
最近の空や宇宙にまつわる話題として節目を迎えたのが、現地時間の7月8日に打ち上げられたスペースシャトル「アトランティス」。
今回の飛行を最後に宇宙開発のシンボルであったスペースシャトルは30年の歴史に幕を閉じることになります。
1981年4月12日にケネディ宇宙センターから打ち上げられたスペースシャトル第1号機「コロンビア」は、米国の宇宙開発の威信をかけた開発であり、奇しくもこの日は旧ソビエト連邦のガガーリンが史上初の有人宇宙飛行に成功してからちょうど20年目だったのだから面白いですね。
その後スペースシャトルは、宇宙開発の象徴として毛利衛さんをはじめ向井千秋さん、若田光一さん、土井隆雄さん、野口聡一さん、星出彰彦さん、そして山崎直子さんと7人の日本人を宇宙に導いたのは記憶に新しいところ。
しかし、1986年のチャレンジャー、2003年のコロンビアと2度の悲劇に見舞われ安全性とともに打ち上げ費用の高さ、そして老朽化により今回の飛行が最後になりました。
坂本九生誕70年、上を向いて歩こう発売50年、そしてスペースシャトルが30年。これからもさまざまな分野でその時代を創り出す人やモノは出現することでしょう。
パブリック・リレーションズ(PR)に携わるものとして、このような注目されるトピックや時代の潮目をタイムリーに見極め、それをいかに強いメッセージとして発信していくか、鋭い感性を常に磨きたいものです。
たまには帰宅途中に、遠い夜空を仰ぎ見るのはいかがでしょうか。新たな発見があるかも知れません。