時事問題

2011.07.25

デジタル全盛時代だからこそアナログにも目を向けよう 〜紙媒体の衰退とアナログTV終了に思う

皆さんこんにちは井之上 喬です。
今回のブログでは、最近のアナログ時代からデジタル時代への移行を象徴する2つの出来事を取り上げてみたいと思います。

あの『ぴあ』もすべて休刊に

1つ目は7月21日に休刊した『ぴあ首都圏版』のことです。1972年7月の創刊から39年間、映画や演劇、音楽、芸術、スポーツなどの開催情報やチケット情報を提供してきました。

私も『ぴあ』を携えていろいろなイベント情報を入手したものです。首都圏版は1980年代に50万部を超す発行部数を誇っていましたが、インターネットの普及で最近は約6万部に落ち込んでいたようです。

首都圏版の休刊で全国すべての『ぴあ』が終了、今後はインターネットでの情報配信が事業の中心になるようです。
ぴあの休刊に関連し、タウン誌の研究で知られる東京経済大学名誉教授の田村紀雄氏が、毎日新聞の7月21日夕刊で、ぴあが出版界にもたらした2つの革新について触れています。

1つは「伝統的な流通を通さない直販方式」、これはその後のタウン誌のお手本になりました。

2つ目は「情報を分類して提供するディレクトリー化」です。このことによりぴあは、事件でもない生活情報を一覧にして提供、この手法は今や他のメディアでも定番になっています。

しかしミニコミ誌からメジャーな雑誌に成長したぴあも、インターネット時代の大きな流れの中で“紙”媒体からの撤退を余儀なくされました。
紙媒体の窮状は以前から指摘されており、出版や新聞業界が構造不況業種とのレッテルを貼られて久しくあります。

紙媒体は、新聞や雑誌が丸ごと手にできることで全体が無駄な時間をかけることなく簡単に把握できる利点があり、無くなることはないと思うものの、一方で最近のスマートフォンやタブレットPCの普及が新聞のデジタル版や電子出版の動きを加速させているのも事実です。

インクの匂いがする紙媒体、個人的にはとても愛着がありこれからも手放せないと思います。

テレビもデジタル時代に突入

もう1つのアナログからデジタルへの移行は、地上アナログ番組放送の終了時刻が7月24日正午をもって、大震災で被災した岩手、宮城、福島の3県を除き、デジタル化へ移行したテレビ放送です。

テレビのデジタル化は高画質の映像配信を可能にしたり視聴者が参加できる双方向サービスを可能にするほか、電波の有効利用にも貢献すると期待されています。

デジタル化により、ハイビジョンからスーパー・ハイビジョンへの高画質化の流れがさらに加速するとともに、テレビのインターネット端末としての役割も注目されており、ホーム・ネットワークの主役の座がテレビにとって替わる日もそんなに遠くはないでしょう。

紙媒体から電子媒体へ、アナログ・テレビからデジタル・テレビへ、このような流れはデジタル全盛時代を象徴する大きな動きですが、忘れてならないのはそれを支えているのはアナログだということです。

何を言っているのかと不思議に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、高度にデジタル化されたテレビにしても、現実のアナログの情報を取り込んでデジタル処理をして、最終的には人間の目に見えるアナログに戻し情報を配信するといった仕組みになっているのです。
こうしたシステムには高度なデジタル処理を行うデジタル半導体とともに、アナログ技術として入力部でのアナログ・デジタル変換、出力部でのデジタル・アナログ変換といった役割を果たす高度なアナログ半導体が必要とされています。

しかし、このアナログ半導体をリードしているのはTI、アナログデバイセズ、リニアテクノロジー、マキシム、インターシルなどほとんどが海外のメーカーという現実をご存知でしょうか。

以前は日本の半導体メーカーもアナログ技術者を多く抱え世界をリードしていましたが、デジタル時代の到来とともに各社右へならえと技術者をアナログからデジタルにシフト、アナログ技術の開発がおろそかになり現在のような状況になったようです。

今後、ますますデジタル化が進展する一方で高度なアナログ技術の重要性が増すという事実にも目を向けたいと思います。
媒体がデジタル化されても、伝えたいもともとの情報はアナログです。時代の流れとともに、伝えたい情報をいかにその時代の主流の媒体に合わせて発信するかが重要になってきます。

ここで大きな役割を果たせるのがパブリック・リレーションズ(PR)。伝えたい情報を、いかにさまざまな媒体をコミュニケーション・チャンネルとして駆使し、最終のターゲットやステークホルダーに正しく伝えるか。ますます私たちの果たす役割は大きいと肝に銘じたいと思います。

ところで某国の総理大臣にも、バランスの良いアナログ/デジタル変換技術が備わっていれば、国民との双方性コミュニケーションもずーっとスムーズになるのかもしれませんね。

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