交遊録

2006.03.31

春爛漫、桜の季節に思いをはせる

こんにちは、井之上喬です。

いよいよ本格的な春の到来。桜が美しく咲き乱れる季節となりました。皆さん、いかがお過ごしですか。

日本の国花として愛される「桜」。古くは万葉集や古今集に歌われ、今も春の訪れを告げる花として多くの人に親しまれています。桜の雅やかな姿を愛でて楽しむお花見も日本の美しい文化のひとつです。

恒例の新宿御苑でのお花見パーティ

私のオフィスは新宿御苑から歩いて数分のところにあるので、従業員のみなさんとの御苑でのお花見は毎年恒例となっています。今年も3月29日に桜の会を開きました。真昼の広い公園に光り輝く美しい桜の木の下の芝生で、皆でお弁当を広げてビールやワインなどで乾杯しながら日本の風情を味わいました。

新宿御苑といえば東京の桜の名所として知られています。2月の寒桜から3月にはソメイヨシノ、4月下旬のカスミザクラまで約2ヶ月のあいだ、約75種1500本もの桜が次々に花開き私たちの目を楽しませてくれるのが魅力です。
約17万6000坪の敷地はもと高遠藩内藤家の下屋敷があったところで、1879年(明治12年)に新宿植物御苑となり皇室の園遊会などに使われていました。第二次大戦後に一般に解放され、現在は国民公園となっています。

新宿御苑に面した通りには素敵なレストランがいくつかあります。なかでも「ラ・ボエム」というイタリアン・レストランは、高い吹き抜けの、公園側が天井までつづく一面ガラス張りのお店で、その向こうに青々とした木々を仰ぐことができます。さながら森の中のレストランといった感じです。その他にも有機素材を食材につかった、可愛らしいモダンな雰囲気の中華レストラン「礼華」や大木戸門入り口前の洋食レストラン「自由軒」など、緑を楽しみながらお食事がいただけるお店で、お花見の余韻を味わいながら食事をされるのも面白いと思います。

新宿御苑では今週末から来週にかけてソメイヨシノが満開を迎えるそうです。ちなみに開園時間は朝9時から午後4時まで(閉園は午後4時30分)で入園料は200円。通常は、毎週月曜が休日(月曜が祝日の場合は、その翌日)となっていますが、3月25日から4月24日までは特別開園期間で毎日開園。桜の清楚で雅やかな魅力を新宿御苑で味わうのも良い思い出になるかもしれません。

思い出に残る、アップルの人たちとのお花見

この季節になると毎年ある光景を思い浮かべます。それはいまから20数年前、私の会社井之上パブリックリレーションズのオフィスが九段にあった頃のこと、当時クライアントであった米国アップル・コンピュータ社の日本法人(アップル・ジャパン)設立準備オフィスとして九段の事務所を提供し、サポートをしていました。そんな関係で、今は亡きアップルの福島正也さん(日系二世で初代アップル・ジャパン社長、2002年逝去)や米国本社から派遣され法人設立責任者のビル・ションフェルドさんなどと、オフィス脇の千鳥ヶ淵で満開の夜桜を楽しみながら、すき焼きパーティをしたときのことです。すき焼きの匂いに引き込まれた通りすがりの人たちが私たちの宴席に加わり、陽気なアメリカ人と飲んで食べて歌ったことを昨日のように想い出します。

最後に、心に残った桜の歌を一句ご紹介します。
「見渡せば 春日の野辺(のべ)に
  霞(かすみ)立ち 咲きにほへるは 桜花かも」
   詠人知らず 『万葉集』巻十 1872

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