アカデミック活動

2014.06.12

3年目を迎えたグローバルビジネス学会〜総会特別講演は原丈人さんの「公益資本主義的経営」

皆さんこんにちは井之上 喬です。

梅雨入りとともに各地で大雨の被害が相次いでいます。これも地球温暖化の影響でしょうか。早くすっきりとした夏空に出会いたいものです。

私が副会長を務めるグローバルビジネス学会(SGB)は、6月6日に第2回年次総会を開催しおかげさまで3年目を迎えました。

学会ジャーナルの発刊などで国内外への情報発信を強化

2年目の2013年度の主な活動内容をご紹介しますと、マンスリーセミナーではライフネット生命の出口冶明社長(当時社長)、三井住友銀行プロジェクトファイナンス営業部長のラジーブ・カナン氏、前高知県知事の橋本大二郎氏、前駐米大使の藤?一郎氏、株式会社シグマクシス代表取締役会長兼社長(元日本IBM副社長)の倉重英樹氏など国際経験豊かな皆さんから講演をいただきました。

また研究会では、グローバルビジネス法務研究会、人材開発育成研究会に加え、特別研究会として秋に「国際経済連携協定研究会(TPP研究会)」を立ち上げTPP交渉に関する緊急提言をこれまで2回にわたって行いました。

今年3月には、「日本型クリエイティブサービスのグローバル化 〜世界に広がる日本のおもてなし〜」と題し2日間にわたる全国大会を京都(京都大学)で行いました。活動内容についてはグローバルビジネス学会のホームページ http://s-gb.net/ にアクセスしご覧になってください。

そして新たに評議員には、企業のレピュテーション・マネジメントの研究で著名な、米国ダートマス大学タックビジネス・スクールのポール・アルジェンティ教授を( http://s-gb.net/news/1011/ )またアドバイザリーには前中国大使の丹羽宇一郎氏をお迎えしました( http://s-gb.net/news/1228/ )。

3年目となる2014年度は、マンスリーセミナーに加え時宜を得た特別セミナー、全国大会の開催、研究会の実施などに加え内外の関連機関との交流・講演・シンポジウム、そして2015年1月刊行予定で学会ジャーナルの刊行を予定するなどさらに活動の幅を広げ、国内外に向けて情報発信していく計画です。

グローバルビジネス学会の今後の活動に注目してください。

これからはアフリカの時代だ!

また年次総会の後には総会特別講演会として、原 丈人(はら じょうじ)氏から「グローバルーバルビジネスの新潮流 公益資本主義的経営とは」?米国型経営を乗り越えた新しい経営のあり方について?と題し、1時間ほどお話しをいただきました。

原さんは、慶応大学在学時からマヤ文明など中米考古学に興味を持ち研究を重ねる傍ら、27歳の時に渡米しスタンフォード大学院在学中シリコンバレー初の光ファイバー事業に成功。84年デフタ・パートナーズを創業し、米英イスラエルの革新的な技術を持つベンチャー企業への出資と経営を行っています。

世界第二位ソフトのボーランド、インテルと合併したOPLUS、サイバーセキュリティー大手フォーティネットなどを会長、社外取締役としてゼロから立ち上げたビジネス経験を持ち、2005年からはアジア、アフリカで情報インフラ整備、栄養改善事業に取り組んでいます。また、国連政府間機関特命全権大使、財務省参与など日欧米の公職を歴任している国際人であるとともに異色の経営者です。

原さんは、光ファイバーを使った大型ディスプレイ開発会社を作った29歳のころは、クリスマスの時期はクリスマスのない国、正月や旧正月などの時期にはそのような慣習がない国に移動し、休みを取らずに仕事をしたエピソードや、「お金がないならないなりの方法でやる」、「お金がないと知恵を使う」。「思い入れがあってこそビジネスは成功する」など自らのビジネス哲学を披瀝。さまざまなことに挑戦し続けている原さんの熱き思いがひしひしと伝わってくる講演でした。

また彼は「人口の多いところでビジネスを作る、つまりこれからはアフリカだ」と断言し、今世紀中に世界人口は100億人に達し、アフリカ人は30%を超えるとする人口予測を紹介しています。

そして原さんは、多くのビジネスマンが注目しているアジアではなく、軸足をアフリカに置き栄養不足の改善、マイクロファイナンスの促進そして日本からの事業促進投資の拡大プログラムに取り組んでいます。

まずビジネスを創出し儲かったお金で栄養不足を改善、そして教育を充実させ自立家、起業家を育成するとし、アフリカではすでに牛肉に含まれるタンパク質をはるかに上回る、栄養豊富な藻スピルナの培養にも成功しているとしています。

原さんはグローバル人材の要素として、1)多様性を受け入れること、2)前向きで楽天的であること、そして3)物事の在り方、理念教育を受けていること、を挙げていました。

あまり大柄ではありませんが、若いころから世界を股にかけて常に新しいビジネスに取り組んできたエネルギッシュな、人を惹き付けてやまない原さんの人柄に接した貴重なひと時でした。

実は原さんとはこの春に、ご本人が最高顧問をつとめる一般社団法人公益資本主義推進協議会(代表理事:大久保秀夫フォーバル会長)の有識者会議で初めてお会いしました。

この協議会はこれまでの金融資本主義から、「企業は社会の公器であり、企業活動の目的は利潤の追求のみならず公益に資すること」とする「公益資本主義」への転換を目指し、日本起点の根本原理を考案・実行する組織で私も大いに賛同しています。

東北大震災を契機に設立され、3年目を迎えたグローバルビジネス学会は、小林潔司理事長、大竹美喜会長ともども、今後も時代の先を読む先進的かつ羅針盤的な役割を担ってまいりたいと思っています。

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