アカデミック活動

2010.10.07

早稲田大学、後期授業スタート〜これまで1000名の学生が受講、社会で活躍

こんにちは、井之上喬です。
先週、早稲田大学で私が教べんを執る二つの授業がスタートしました。

一つは2004年にスタートした、学部間の垣根を越えたオープン教育センターの「パブリック・リレーションズ概論〜次世代のリーダーのために」、もうひとつは大学院公共経営研究科で昨年から始まったパブリック・リレーションズ(PR)講座(春学期/秋学期)です。

写真左「PR概論を教えている法学部校舎(8号館)」 写真右「パブリック・リレーションズBを教えている公共経営研究科校舎(26号館)」

PRの基本を教える学際授業「パブリック・リレーションズ概論」は、パブリック・リレーションズの理論を中心とした授業で、ケース・スタディも交え、幅広く奥行きの深いパブリック・リレーションズを包括的に学ぶことができます。

パブリック・リレーションズとは何か、なぜ今必要とされているのか、また米国で誕生したその発展史や戦後GHQにより導入されたパブリック・リレーションズがなぜ日本で育たなかったのかなどの歴史的考察も加えた授業です。

ちなみに前期は、実践寄りの「パブリック・リレーションズ特論」をゼミ形式で教えていますが、この「特論」は「概論」受講者が履修できます。

これまで1000人を輩出

「概論」のゲスト講師は毎回多彩で、企業経営者(国内/外資系)、企業の広報責任者、政府高官など各方面で活躍されているかたがた。

総合大学では初の講座としてスタートしたこの授業は、04年のスタート時は定員94名のクラスでしたが、現在は200名を超える受講生が参加。今年は235名のクラスになりました(2008年は休講)。
大教室ですが、できるだけ多くの人に参加してもらいたいと考え、思い切って応募者全員を受け入れるようにしています。

毎回、受講生の熱気を感じさせる授業で使用する教室は、数年前に新築した法学部の校舎。扇型の教室は全体が見渡せ広さを感じさせない快適な教室。

一人でも多くの学生を世に送り出したいとの思いで始めたこの授業も、これまで1000名を超える学生がこの授業を受け社会で活躍しています。

ウオートン・スクールとのビデオ授業も

一方、大学院公共経営研究科でのPR講座は少人数のゼミ形式。同研究科科長の縣公一郎と授業内容を相談させていただき本年から始めています。

春学期と秋学期の2つのコースで、春学期は理論中心の授業に対し秋学期は事例・実践中心の授業。
実務上直面している課題や成果をもとにディスカッションを行い、個々の受講生によるライフサイクル・モデルをベースにしたプレゼンテーションも計画されています。

また特別授業として、米国ペンシルバニア大学ウオートン・スクール(MBA)の学生とのビデオ・カンファレンスによるケース研究も行う予定です。

厳しさを増す組織体経営にあって、間口が広く奥行きの深いリレーションシップ・マネジメントであるパブリック・リレーションズが、如何に経営の中枢に組み込まれるべきかを理解できるような授業にしたいと考えています。
このブログでも繰り返し述べていることですが、グローバル社会で、日本が安定的発展を遂げるには「次世代リーダー」の育成が不可欠。

パブリック・リレーションズの理論と技術を習得し実践することは「自立した強い個」を育み、リーダーとしての素地を築くことを可能とします。

アメリカでパブリック・リレーションズの実務家は現在20万人を超えています。日本で広報に携わる人の数は1万数千人と極端に少なく、そのほとんどは大学で正規の教育を受けていないのが現状。
また多くは組織体のジョブ・ローテーションに組み込まれ、一部を除いて広報の仕事に腰掛的に携わっているのが現状。これでは世界と戦えるはずはありません。

この授業を通して、パブリック・リレーションズの持つダイナミズムを学び、しっかりしたカリキュラムに基づき専門教育を受けたパブリック・リレーションズの実務家が一人でも多く誕生することを期待しています。

「パブリック・リレーションズ(PR)とは、個人や組織体が最短距離で目的を達成
する、『倫理観』に支えられた『自己修正』と『双方向性コミュニケーション』をベースとしたリレーションズ(関係構築)活動である」

これから受講生たちがどのように成長していくのか楽しみにしています。この授業で学んだことが将来それぞれの人生で生かされ、役立つものとなっていくことを願ってやみません。

受講生の皆さん、そしてTAの三加茂くん佐藤さん、これからよろしく!

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