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2018.09.21

歳時記〜春夏秋冬を代表する秋の多面性

皆さんこんにちは、井之上喬です。

ゲリラ雷雨には悩まされていますが、熱暑も一段落して身近に秋の気配が感じられる季節になりました。

スポーツの秋、読書の秋、芸術の秋、行楽の秋、睡眠の秋、食欲の秋など、春夏秋冬四季の中で“◯◯の”というフレーズが付くのは秋だけのようです。今回はいくつかの「○○の秋」について、その由来などについて紐解いていきたいと思います。

「スポーツの秋」は東京五輪(1964年)に起因

実用日本語表現辞典を引くと「スポーツの秋」について、「秋はスポーツをするのに適した季節であるという意味の言い回し。由来は日本初のオリンピックである東京オリンピックが開かれたため、あるいは暑くもなく寒すぎもせず夏や冬より快適であるためなどさまざまな説があるが、実際はよくわかっていない。」とありました。

東京五輪が開かれた10月10日が「体育の日」として国民の休日となり、この日を中心に運動を楽しもうという風潮が生まれ、「スポーツの秋」となったようです。

話はそれますが、2020年東京オリンピックが異常気象の中で、高温多湿の猛暑の盛夏を選んだことは全く理解に苦しみます。開催時期を秋に移動するなど、出場する選手の立場(人道上)で再考すべきと思います。

さて、「読書の秋」の由来には、日本と中国からといった2説があるようです。日本では1918年(大正7)年9月21日の読売新聞朝刊5面の見出しに「読書の秋 図書館通ひの人々 読書と世間」と書かれた記事が初めての使用例だといわれます。

その後、1924年に日本図書館協会が11月17日から11月23日までを図書週間
に制定し、さらに1947年には第1回目の「読書週間」が11月17日?11月23日に行われ、これが「読書の秋」の由来とされているようです。

一方、中国説では、古代中国の唐時代の詩人、韓愈(かんゆ 768-824)の漢詩によるという説が有力だそうです。それは学問の大切さを詠んだ「符読書城南詩」の中の一節に「灯火親しむべし」という言葉があります。

その意味は「涼しく夜の長い秋の夜は灯火の下で読書をするのに適している」ということのようです。それから、秋は読書にふさわしい季節であるというイメージが拡がったという説です。

皆さんは、日本説、中国説のどちらを支持しますか? 次は秋の表現の中でも一番身近な言葉として知られる「食欲の秋」について紹介しましょう。

旬な食材とセロトニン

「食欲の秋」の由来には、これという定説はないようですが、私たちの主食となるお米をはじめ、沢山の美味しい食材が旬を迎える秋はいつもより食欲が増す、という考えから「食欲の秋」と呼ばれるようになったというのが有力な説のようです。

なぜ秋になると食欲が増すのか、ということですが精神状態を安定化するためのある神経伝達物質が大きく関係しているといいます。

それはセロトニンで、“幸せホルモン”とも呼ばれていて、食欲を抑える働きがあるそうです。この成分は、日光に当たる時間と比例していて、陽の光を浴びる時間が短いと減り、長ければ増える特徴を持ちます。つまり秋は日照時間が短いので、夏に比べて太陽の光を浴びる時間が短く、かつセロトニンの分泌量も減るので、食欲が増えるとしています。

冬は代謝がアップするため、それに備えてカラダはエネルギーを蓄えようとします。食欲が旺盛になり、体脂肪が多くなっていくようです。

頭と体の両方を使うパブリック・リレーションズ(PR)の実務家にとって、とりわけ秋は肥満に気を付けなければならない時期ともいえますね。

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