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2018.08.21

深刻さ増す世界規模でのプラスチックごみ問題に早急な対策を〜政府に頼らずまず民間から

皆さんこんにちは井之上喬です。
残暑お見舞い申し上げます。

夏休みを利用し海や山に出かけた方も多いのではないでしょうか。

私は毎夏この時期に亡き母の故郷、愛媛県弓削島で休暇を楽しんでいます。美しい自然は本当に人の心を癒す力を持っていますが、その自然を人類の宝物として、次の世代に継承したいものですね。

夏の浜辺で目につくのは、岸辺に打ち上げられたプラスチックのごみの山。
今日は深刻な問題となっている、プラスチックのお話しです。

「海洋プラスチック憲章」に署名しなかった海洋国日本

最近、世界規模でプラスチックごみ(廃プラ)による海洋汚染が問題になっています。アジアやアフリカなど世界各地で、浜辺を覆いつくすプラスチックごみの惨状がニュースでも流れています。

8月18日の日本経済新聞では、政府がプラスチックごみによる海洋汚染の深刻化を受け、年内にも数値目標を盛り込んだ削減に向けた対策に乗り出す、と報道しています。

政府は6月の主要7カ国(G7)首脳会議で削減目標を盛り込んだ「海洋プラスチック憲章」に米国とともに署名を見送るなど規制への対応は遅く、国内外から批判が強まっています。

日本は1人当たりの使い捨てプラスチックの発生量は米国に次ぎ世界で2位であるにもかかわらず、署名しなかった理由について中川雅治環境大臣は「産業界と調整する時間が足りなかった」と釈明しています。

そしていつもの通り、一部の産業界ではプラスチック製品の規制強化には代替品の調達が間に合わないなどの理由で慎重論が根強い、ということです。

経済協力開発機構(OECD)の試算では、廃プラによる環境汚染などの損害が年間約130億ドル(約1兆4000億円)に上るとしEUなどはすでに規制を強化しています。

プラスチックごみ問題解決への取り組みは今や待ったなしなのです。

この世界的な大きな流れに敏感に反応している民間企業もあります。外食企業などがプラスチック製ストローの使用を取りやめるなど具体的な対策を発表し動き始めていますね。

すかいらーくホールディングス(HD)は、8月17日に2020年までに全店となる約3200店でプラスチック製ストローを廃止、12月までにファミリーレストラン「ガスト」の全店となる約1370店で廃止する方針を発表しました。

パブリック・リレーションズ(PR)に関わる1人として、日本企業には珍しい戦略的な発表に正直驚きました。

スターバックスコーヒーも使い捨てプラスチック製ストローを2020年までに全世界で廃止、またマクドナルドは英国とアイルランドで紙製に切り替えるなど、プラスチックストロー廃止が世界の潮流になりつつあり、すかいらーくHDも素早く対応した形になっています。

代替品のコスト、顧客の反応など廃止に向けた課題も多いと思いますが、その挑戦には拍手を送るとともに一消費者として賛同したいと思います。

国連のSDGs第14番目の目標は「海の豊かさを守ろう」

2015年に国際連合で採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」のなかでは17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs)」が掲げられており、そのなかの第14番目の目標は「海の豊かさを守ろう」となっています。

国連広報センターのホームページには、「やめよう、プラスチック汚染」の項目で以下の一文を掲載しています。

「ご存知ですか。実はプラスチックごみの9割が、リサイクルされていないこと。毎年800万トン以上のプラスチックがゴミとして海に流れ込んでいること。すでにその数は銀河系の星の数より多く、2050年には魚の量より多くなると予測されていること。

そして、一部は紫外線・海流・波で、マイクロプラスチックと呼ばれる細かい破片となり、有害物質が付着しやすくなり、鳥や魚がエサと間違えて食べ、その魚を私たちが食べていること。買い物で、飲食店で、あらゆるところで、不要なプラスチックを使うのはやめましょう。そのプラスチックは、使い捨てになるだけではなく、この地球を汚す可能性が高いのだから。」

プラスチックはリサイクルされている、と思っている方も多いのではないでしょうか。実態は全く異なり、地球環境に大きな負荷をもたらしているのです。

私が経営する井之上パブリックリレーションズは、世界の潮流になっているSDGsそしてESG投資に積極的に取り組んでいる企業や組織の情報発信を戦略的に支えるパブリック・リレーションズ(PR)のコンサルテーションを展開しています。

世界に向けて、本業に基づき且つSDGsに紐づいた活動を積極的に情報発信し新たな企業価値の創出に取り組んでみませんか。

この原稿を書いているうちにも、100回を迎えた、夏の甲子園の高校野球大会決勝戦で大阪桐蔭(北大阪)が史上初となる2度目の春夏連覇を達成して優勝。決勝で対戦したエース吉田輝星選手を擁する秋田の金足農業高校の健闘は、高校球史に残る大きな感動を全国の高校野球ファンに与えました。

 

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