皆さんこんにちは、井之上 喬です。
夏のような暑い日が続いていますが体調を崩したりしていませんでしょうか。
このまま夏になるとは思えませんが、春、夏、秋そして冬の日本の四季の移ろいにメリハリがなくなっているように感じます。
天気予報の精度は格段に向上
6月1日は「気象記念日」だそうです。1875年(明治8年)6月1日、東京・赤坂に現在の気象庁の前身である日本初の気象台として東京気象台が設置され、東京で気象と地震の観測が開始されたことを記念する日です。
天気予報は私たちの身近な存在になっており、朝出かける前にテレビや新聞、オンラインの天気情報を確認して出かける方も多いのではないでしょうか。
最近の天気予報の精度は素晴らしいと思います。広域だけでなく局地的な天気の変化を的確に予想し、旅行やゴルフの準備に役立っています。
この背景には気象衛星、GPS機能、通信ネットワーク、インターネット網、画像解析、ビッグデータ解析そして最近は人工知能(AI)などの最先端技術を駆使したシステムが構築されているからだと思います。
最先端技術展示会に見る世界のトレンド
最先端のIT技術に関しては5月30日から台湾でアジア最大級のITC関連展示会である「COMPUTEX Taipei 2017」(以下COMPUTEX)が6月3日まで、台北市にある台北貿易センター(TWTC)、台北国際会議センター(TICC)、台北南港国際展示場(TWTC Nangang)などで開催されています。
写真:オープニング・セレモニー(上)と賑わいを見せる会場(下)
COMPUTEXの出展社は1600社以上、出展小間数が約5000、来場者数が約13万人という規模で、「AI&ロボティクス」「IoTアプリケーション」「イノベーション&スタートアップ」「ビジネスソリューション」そして新設の「ゲーミング&VR」の5テーマをメインに最新の製品・サービスが展示されています。
今年から私が経営する会社(井之上パブリックリレーションズ)がCOMPUTEXの日本市場向けパブリック・リレーションズ(PR)業務を担当しており、弊社の担当者も会期中、日本から取材に現地に飛んでいるメディアの方々のサポートのために出張しています。
多くのスタートアップ企業が出展
台北からの報告によると今年のCOMPUTEXの特徴は、AI、IoT(モノのインターネット)、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)などの最先端技術とそれに関連する多くのスタートアップ、ベンチャー企業の出展がみられ、主催者側は新しいビジネス創出に向けたビジネスマッチングが大きな目玉、と発表しています。
事実、出展社1610社のうちスタートアップ企業は272社(主催者発表)に上り、イノベーションとスタートアップにフォーカスした「InnoVEXエリア」は若きエンジニア、若き経営者そしてベンチャーキャピタル関係者などで大変な賑わいだったようです。
その姿は米国シリコンバレーを想起させ、COMPUTEXがアジア版シリコンバレーの起点になるのではと感じるような熱気に満ち溢れていたようです。
AIの活用で新規ビジネス創出と社会課題の解決を
COMPUTEXでは、第3次AIブームと言われ私たちの身近なところでも実用化が進んでいるAI技術に関しては、IBM、マイクロソフト、Google、アマゾンなどから産業、医療、自動運転、農業など様々な分野での応用例と今後の取り組みが会場内で発表されていたとのこと。
AIの応用で面白いと思うのが農業分野ですね。すでにさまざまな取り組みが進んでいますが、私が思い描く日本の農業の近未来の姿としては、最新の気象情報データを解析し、その年の日照時間、気温の変化などを予測し最適な作物と収穫量を計画する。
そしてドローンによる土壌の解析と肥料の散布、自動運転トラクターによる耕作と収穫ロボットの活用、自動化された集荷、選別を経て最適な時期に世界に出荷する。
この一連の流れにより日本の農業の特徴である安全、安心の農産物が安定的に供給され世界規模で競争力を持つ、日本農業の「産業化」が実現するのではないでしょうか。
政府の成長戦略の中でも、農業の6次産業化が重要課題の1つになっていますが日本の農業の高度化にはAIをはじめとする最先端技術を早急に導入することと産業化が必要だと思います。
農業の産業化は今後予想される世界規模での人口増加、それにともなう食糧の安定確保の面からも重要だと思います。
パブリック・リレーションズ(PR)の仕事を通じ、スタートアップ、ベンチャー企業をはじめとする優れた技術を世界に向けて情報発信、そして企業規模を問わない最適なビジネスマッチングによる新しいビジネスの創出こそが、世界的が抱えるさまざまな社会的課題を解決する1つの方向性だと考えています。