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2017.05.02

歳時記〜新茶シーズン到来!

皆さんこんにちは、井之上 喬です。

ゴールデン・ウイークの最中ですが、毎年この時期に連想させるものの一つに新茶がありますね。

「夏も近づく八十八夜〜」ではじまるこの歌は、立春から数えて88日目に当たる八十八夜(今年は5月2日)に茶摘みをする光景を歌っています。

「走り新茶」や「大走り新茶」と呼ばれる新茶は、5月2日よりもずっと早い3月中旬に摘まれ、煎茶の市場ではプレミアム感が増すようです。

では、日本で一番早く新茶がとれるのはどこかご存知ですか? 

新茶前線と桜前線

エキサイトニュースによると茶の樹は亜熱帯原産のため、世界的にみても赤道をはさんで北緯45度から南緯45度の間で栽培され、日本では桜前線と同じように日本列島の南の暖かい地域から北へ、新茶前線は駆け抜けていくとのことです。

意外かもしれませんが日本で一番早い走り新茶の産地は沖縄県北部の国頭村奥で生産される新茶だそうです。

沖縄以外にも走り新茶の産地としては、鹿児島県の種子島や屋久島のお茶も多く見かけます。ちなみに、日本で商業的にお茶の栽培をしている北限地域は日本海側で新潟県村上市(村上茶)、太平洋岸では宮城県石巻市(桃生茶)といわれています。

新茶初取引は4月11日の鹿児島を皮切りに、宮崎、静岡と続き、八十八夜のゴールデン・ウイークごろにかけてピークを迎えます。摘みたてのフレッシュな新茶が市場に出回り、店頭やオンライン販売でも購入できるようになります。新茶販売会やイベントなどが各地で行われるのも、この時期の楽しみの一つといえます。

熟成してまろやかになったお茶も美味しいですが、この時期だけの、ワインでいうところのボジョレー・ヌーヴォーに例えられる摘みたてのエネルギー溢れる新茶を味わってみてはいかがでしょうか。

茶寿は108歳

先日(4月24日)の静岡新聞に「新茶初取引、史上最高値108万円」の見出しの記事が掲載されていました。

静岡茶市場で4月24日に行われた新茶初取引で、単価としては史上最高値の1キロ当たり108万円の商談が成立したという内容。富士宮市のJA富士宮茶業委員会が、わせ品種の「さえみどり」を手摘みし、手もみで仕上げて1キロ限定で出荷したものです。

初取引では例年、手もみ茶は出ず、機械でもんだ茶に「八十八夜」にかけて1キロ当たり8万8千円、8万8800円などの最高値をつけていたようです。
市内の生産者でつくるJA富士宮茶業委員会が、初取引に向けて昨年から準備を進め、108歳を表す「茶寿」にちなんで希望価格を108万円で上場したとのこと。

一方、機械でもんだ茶は、静岡市清水区の両河内茶業会の茶が1キロ当たり8万8800円で、38年連続で最高値がついたと報じられています。

古代中国の書物「神農本草」には、農業を司る神農が1日百草を噛んでみて72の毒に当たったけれど、茶を飲んで毒を消したという逸話が書かれているそうです。現在でも「ストレス」や「不眠」効果などさまざまな緑茶パワーが紹介されています。

江戸時代の代表的な俳人のひとり、小林一茶(1763-1828年)は、生涯で2万句も詠んだともいわていますが、お茶を詠んだ句も多く、150句ほどあるそうです。

その中の一つが、「新茶の香 真昼の眠気 転じたり」。
新茶の良い香りに昼間の眠気がすっきり目覚めてしまった、といった意味合いでしょうか。

日頃からパブリック・リレーションズ(PR)の業務で多忙な時間を過ごしている私たちにとって、新茶を一服する余裕が欲しいものですね。

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