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2016.03.03

『きずなづくり大賞2015』から〜東京新聞が1面で紹介

皆さんこんにちは、井之上 喬です。

今日は、雛祭り(桃の節句)。雛まつりの起源は300年頃の古代中国で発祥した上巳節に遡るといわれています。その上巳節を遣唐使が日本に伝え、やがて江戸幕府が3月3日を「桃の節句」と定め、5月5日の「端午の節句」に対し、3月3日は女の子の節句として定着してきたようです。

2007年のスタート以来、私が運営委員会の委員として参画し、今年9回を数える「きずなづくり大賞2015」(東京都社会福祉協議会)。今回は東京新聞(3/1と2日朝刊)の紙面で、優秀作品や表彰式(写真の上段中央が筆者)などについて写真入りで大きく報道されました。

 

きずなづくり大賞2015 〜地域や家族の多様な「つながり」をつくろう

表彰式で、主催する東京都社会福祉協議会の青山佾会長は、大都会には、いろいろな生活課題を持っているにも関わらず、遠く離れた家族にも、身近な地域社会の人たちにも相談できずに孤立しがちな人たちがたくさんいる、として地域の繋がりの重要性を強調しています。

こうした中、今回の「きずなづくり大賞2015」では、地域や家族の多様な「つながり」をいかに構築していくかをテーマに作品が募集されました。

パブリック・リレーションズ(PR)は、パブリックやステークホルダーとのリレーションシップ・マネジメント(良好な関係性の構築・維持)を通して、目的を最短距離で達成する手法です。

今回のテーマに限らず、この「きずなづくり大賞」には、いつもリレーションシップ・マネジメントの原型ともいえる実践事例が多くみられます。

このブログでは、入賞11作品の中でも私の心に強く残った作品について紹介したいと思います。

『点字の向こうに笑顔が見える』

東京都知事賞を受賞した関場理華さん(東京都新宿区)の作品『点字の向こうに笑顔が見える』は、こんな書き出しから始まります。

 

受賞後スピーチする関場さん受賞後スピーチする関場さん

 

「家族が寝静まった夜、あるいは家事や仕事のスキマ時間に、私は点字を打つ。百人一首の札に、一枚一枚点字を打ったシールを貼っていくのだ」

「始まりは、目の見えない友人の眩きだった。『お正月になると普通の学校では百人一首大会が開かれるのに、どうして盲学校には無いのかしら?』」

全盲の中学生を抱える関場さんにとっては、他人ごとではなかったといいます。調べていくと、授業で和歌の暗記等はあっても、かるた遊びは無いことが判明。まずは、全盲の人がかるた遊びが出来るよう工夫してみることにしたといいます。

そんな「お母ちゃんの手作り活動」に、東京都新宿区社会福祉協議会「視覚障害者交流コーナー」の声掛けで、かるた会のバックアップや登録ボランティアへの呼び掛けがされ、音訳・点訳・木工工作等々の、多種多彩な特技を持った方々からの協力を得られたといいます。

前述の東京新聞(3/1朝刊)には、「記憶力と瞬発力が火花を散らす百人一首の競技かるた。目の不自由な人にも楽しんでもらおうと、点字付きのかるたを開発した。全国の福祉施設で、静かなブームとなっている。」と報じられました。

関場さんが始めた「お母ちゃんの手作り活動」がこうしたブームを呼ぶまでに発展していったのです。

『国分寺市内藤地域センター図書室』

東京新聞賞を受賞したのは、岡本真理子さん(東京都国分寺市)の作品『国分寺市内藤地域センター図書室』。

 

受賞後スピーチする岡本さん受賞後スピーチする岡本さん

 

同図書室のある内藤地域は、国分寺の端に位置しています。5館あるいずれの市立図書館からも離れていて住民は日頃から不便を感じていました。

国分寺市議会へ「内藤地域センター図書室に図書サービスを求める陳情」を、約三千筆あまりの署名と共に提出し、平成2年(1990年)に開館の運びとなったといいます。

ただし最初は、閲覧だけで貸出しはできませんでした。ボランティアが集まり貸出しが可能となり、さらに、平成14年(2002年)10月より土曜日の利用をボランティアの努力で実現させたそうです。

貸し出しを始めて25年。子どもだった利用者が親になり、子どもを連れて本を借りに来てくれる姿に岡本さんは本当に喜んでいるようです。

最後になりますが、9歳で運営委員会委員長賞を受賞した石田果音さん(東京都渋谷区)の作品『うちのお母ちゃんはだれにでもあいさつする』に触れておきます。前述したように、2007年の設立から運営委員を務める私にとって、最年少で9歳の石田さんの入賞は初めてです。

 

運営委員会委員長賞(青少年特別賞)を受賞した石田さん運営委員会委員長賞(青少年特別賞)を受賞した石田さん

 

小さい時から、街で出会う人に母親が明るくあいさつする姿をみて育った石田さんは、「お母ちゃんのあいさつはたくさんの人たちがわたしを見まもって毎日安心して生活することにつながっています。わたしもお母ちゃんを見ならい、これからも元気にあいさつをしていきます。」と作品を結んでいます。

「あいさつ」は、きずなづくりの基本中の基本。小学生の少女が、こうした視点から作品をまとめ、受賞に輝いたのはとても嬉しいことです。

「きずなづくり大賞」に応募される作品の中には、多くのヒントが隠されています。

昨年ご紹介した、シングルマザーの子供やお母さんを対象にした子供食堂(『あさやけ子ども食堂』)や育児に悩みを抱えるママさんに自宅を開放しコミュニティの場を提供する話など、これまで、社会が抱える様々な課題に取り組んでいる活動が多く紹介されています。

私たちの願いは、こうした活動を一人でも多くの人たちに知ってもらい、活動が日本全体に広がっていくことです。民間(個人)やNPO/NGOの試みが行政と力を合わせて、社会を少しでも良い方向に導く力になればと願っています。

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