トレンド

2016.01.30

2015年の中国「10大経済ホットワード」〜第1位は「2人っ子政策」

皆さんこんにちは、井之上 喬です。

私の知人の徐静波さんが発行兼編集人を務める『中国経済新聞』(アジア通信社)の1月号(1/15発行)に2015年の中国「10大経済ホットワード」が掲載され、興味深く読ませていただきました。

徐さんは、中国共産党全国代表大会と全国人民代表大会の取材を認められたただ一人の在日中国人ジャーナリスト。

私たちは、年末恒例の「日本の10大ニュース」や「世界の10大ニュース」に触れる機会は多いですが、中国に限定されたこの種の情報は少なく、このブログを通して皆さんにも紹介させていただきます。

36年間にわたった「1人っ子政策」

2016年元旦から「2人っ子政策」は正式に実施されました。第12期全国人民代表大会常務委員会第18回会議は12月27日、「人口・計画出産法改正案(早案)」の採決を行い、36年にわたって実施されてきた「1人っ子政策」は正式に終結することとなったようです。

第2位は「A株の暴落」。A株とは上海証券取引所や深セン証券取引所に上場している中国本土の投資家が取引できる株式のことだそうです。

上半期に力強い値上がりを見せたA株が暴落し、6月中旬からの52取引日で上海総合指数が5割り近くも値下がり。また、1000銘柄以上がたびたびストップ安となるなど、投資家にとって2015年は悲喜こもごもな年となったようです。

第3位は「2軒目の頭金」。2015年は、不動産市場で大きな動きがあったようです。日本のメディアも中国の不動産不況をたびたび報道していましたが、昨年3月30日、7割を下回ってはならないとされていた2軒目の住宅購入の頭金比率が、いっきに4割へと引き下げられたこと。

9月30日には、1軒目のローンを払い終わって2軒目を購入する家庭について、住宅積立金を利用した場合の最低頭金比率が2割に。さらに不動産ローンの金利は6%から5%に低下し、ここ10年来の最低となり2件目住宅購入意欲を高めることに大いに貢献したようです。

第4位には、2014年11月に中国で開催されたアジア太平洋経済協力首脳会議で、習近平中国国家主席が提唱した経済圏構想である「一帯一路】がランクされました。「一帯一路」は、中国で検索のホットワードとなっただけでなく、中国が外国に向けて大国のあり方を示す新たな「名刺」ともなったようです。

アジアインフラ投資銀行」(AIIB)創設は第5位

同銀行に創設メンバーとして参加を宣言した57力国のうち、フィリピンを除く56力国はいずれも、昨年12月9日までに設立協定への署名を完了。国際社会における中国のプレゼンスを大いに高めることとなりました。

第6位以下は、「IPO再開」(企業上場の解禁:6位)、「春運(春節期間前後の帰省・Uターンラッシュに備えた公共交通機関の特別輸送体制)の列車チケット」(7位)、「春節での紅包(お年玉)争奪」(8位)、「ダブル11」(9位)、「人民元切り下げ」(10位)の順となっています。

「ダブル11」とは、もともと11月11日のことを指し、若者の間では「独身者の日」とも呼ばれていました。 2009年、ネット通販の大手会社であるアリババはこの日をビジネス?チャンスとして捉え、割引セールを繰り広げ、一日で5000万元(現在では約9億円)の合計売上高を達成したといいます。

以来、「独身者の日」ではなく、「独身者に限らず、皆のネットショッピング祭り」といった意味合いが深まったとのこと。

中国で多用された「10大経済ホットワード」を見ても半数は日本人には馴染みのないものでした。

お互いに良き隣人として文化や情報を共有できるよう、パブリック・リレーションズ(PR)を通した、中国とのリレーションシップ・マネジメントを真剣に考えなくては、との思いを深めました。

書籍

注目のキーワード
                 
カテゴリ
最新記事
アーカイブ
Links

ページ上部へ