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2016.01.08

2016年をどう生き抜くか〜医療と介護は国民的喫緊の課題

新年あけましておめでとうございます。
旧年中はお世話になりました。
本年もよろしくお願い申し上げます。

皆さんはお正月をどのように過ごされましたか? 今年の正月三が日は久しぶりに仕事を一切持ちこまず、家族や親せきと恒例の新年会を行うなど東京でのんびり新年を楽しみましました。

以前このブログ(2012年10月1日号)でもご紹介しましたが、いま世界はフラグメンテーション(断片)化が進み大きな位相転換期にあると言えます。欧州、米国を中心にその根底をなす考え方が大きく変化しつつあるということです。

歴史的に欧州との結びつきが深かった中東でも、年初の報道にもあったようにサウジアラビアとイランとの国交断絶にみられるスンニやシーア派など宗派の対立や市民を巻き込んだ制御不能なテロによる武力闘争は混乱を極めています。

4日にはサウジに続き、バーレンとスーダンがイランとの外交関係を断絶し、中東情勢は一気に緊張を高めています。こうした不安材料に加え、中国・上海株の急落の影響を受け日本の新年相場も波乱の幕開けとなりました。

そうした中でも世界人口の60%を超え経済成長が著しいアジアが安定感を見せているのに心強さを感じます。

医療問題解決は喫緊の課題

安倍政権による新3本の矢の行方は世界が注視していますが、課題先進国日本の目の前に大きく立ちはだかっているのは、医療・介護問題といえます。

我が国の65歳以上の人口は2010年(平成22年)の23.0%から、13年には25.1%で4人に1人を上回り、25年には30.3%(3657万人)に増え、35年には3人に一人の33.4%が65歳以上の高齢者になると見込まれています。

一方、総務省統計局の労働力調査(2015年11月速報)によると、全就業者数は6,379万人で産業別就業者を比べると、第1位が卸売・小売業(16.5%)、2位が製造業(16.3%)、次いで医療・福祉(12.5%)となります。

上位の卸売・小売業と製造業の就業者数が減少する中で、医療,福祉分野には増加傾向が見られ、近い将来に医療・福祉関連の就労者は全産業のトップに躍り出ると予測されています。

しかし、この中には低収入にあえぐ介護関係者も多く、このままいけば国家のGDPが大きく下がるのは火を見るよりも明らかです。

2014年度国家予算のおよそ12%を占める日本の医療・介護費は、今後も増え続け、団塊の世代が後期高齢者となり「2025年問題」と呼ばれている危機を迎えることになります。この現状を打破するには抜本的な医療改革しかないと多くの医療関係者が考えていますが、高齢化のスピードに反し根本的な施策が講じられていないのが現状です。

この問題解決にはいくつか考えられるようですが、一つの方法として、これまで別々だった医療と介護を統合することで、生産性の飛躍的な向上をはかる方法が考えられています。

これらは今年のグローバルビジネス学会(GB学会)のテーマにしたいと考えています。GB学会は昨年暮れに一般社団法人としてスタートしましたが、こうした社会のより良い発展のためのテーマに取り組む所存です。

IWAOモデルとは?

医療と介護問題を考えていた時に、藤田保健衛生大学医学部、名古屋大学大学院経済学研究科の岩尾聡士教授が名古屋で推進するプロジェクトに目が留まりました。

昨年7月にGB学会の丹羽宇一郎会長と共に名古屋市主催の地方創生講演会の講師として呼ばれた際に初めて同教授にお会いしました。

岩尾教授が推進するプロジェクトは、先進的在宅医療の教育と質の向上を通して医療・介護周辺産業の創出を図り、地域インフラの構築を目指すもので、この分野では日本の最先端を走っています。

IWAOモデルの特徴は医療・看護・介護一体化と共に、1)土地や施設の所有 2)経営 3)現場(医師・看護師など)の3つを分離することで、それぞれに専門性を持たせ経営の効率化をはかろうとするものです。また事業性を勘案した直接投資の手法や フランチャイズシステムの導入など新たなシステムでやる気のある介護士が現場責任者になることで高額の所得が得れるチャンスを与え、業界全体の所得水準を引き上げようとするものです。

老年学の研究をベースに、病院、施設、自宅等々街全体で高齢の方を看守る仕組み作りを目標にしています。これらを総称してCBM(Community Based Medicine) ヘルスケアイノベーションIWAOモデルとしています。

このモデルを実践する医療機関には、岩尾教授が発足させた医療法人陽明会(理事長:岩尾康子)があります。陽明会では約600名の高齢の患者の世話を行い産官学協働でその実現を推進しています。

IWAOモデルは今後、820万戸を超える全国の空き家を自治体とも連携し、シニア住宅へ転用させるなど在宅医療の充実と医療看護介護をシームレスに連携させることにより最終的には、街全体で高齢の方を看守る仕組み創りが可能になるとしています。

この仕組み創りは、少子高齢化がより深刻化する大都市圏において最も重要であると考えているようです。また、今後日本の後を追う中国、シンガポール、韓国、タイなどの国の富裕層に向けて、このシステムの輸出が大いに期待されます。

学生時代ボクシングをやっていたという岩尾さんのほとばしるような情熱と目的完遂に向けたエネルギーに感銘を受けつつこの大きな問題には国家的視点で取り組むべきことを痛感しました。

パブリック・リレーションズ(PR)は、目的達成のためのリレーションシップ・マネジメントです。パブリック・リレーションズの専門家として今年はこの問題にも取り組んで参りたいと考えています。

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