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2014.11.13
見応えがあった「チューリヒ美術館展」〜文化、芸術でのコミュニケーションも言葉に加え重要
皆さんこんにちは井之上 喬です。
仕事の合間を縫って東京・乃木坂にある国立新美術館の「チューリヒ美術館展」(9月25日から12月15日)に行ってきました。
「印象派からシュルレアリスムまで」と題しモネ、シャガール、ピカソ、ムンクなど各時代を代表する74点の絵画、彫刻が展示されていました。展示会場を出てきたときの感想は、「見応えがあった!」の一言に尽きます。
スイス政府観光局では、ローマ時代からの歴史を誇るスイス最大の都市であるチューリヒ市にあるチューリヒ美術館について、「1787年に始まる長い歴史を誇る美術館には、ホドラーなどスイス芸術家の有名作品のほか、後期ゴシックやイタリア・バロックの名作、レンブラントなどのオランダ絵画、ルーベンスなどのフランドル絵画から、マネ、モネ、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンなどのフランス印象派絵画、ムンクやココシュカなどの表現主義絵画まで、各時代を代表するような巨匠の名画がそろっています」と紹介しています。
今年は日本とスイスが国交を樹立して150年の節目の年。上野の国立西洋美術館でも「フェルディナント・ホドラー展」(10月7日から2015年1月12日)が開催されています。
心にのこる1枚はどれ
会場はセガンティーニの部屋から始まり、モネ、ポスト印象派、ホドラー、ナビ派、ムンク、表現主義、ココシュカ、フォーヴィスムとキュビスム、クレー、抽象絵画、シャガールそしてシュルレアリスム、最後にジャコメッティの彫刻で締めくくられています。
主催の1社である朝日新聞は10月30日の夕刊で、鑑賞を終えた1795人に出口で聞いた「あなたが選ぶベスト1」の結果を紹介していました。
1位は159票でフィンセント・ファン・ゴッホの「サント=マリーの白い小屋」(1888年)、2位が93票のマルク・シャガール「婚礼の光」(1945年)、3位が83票のクロード・モネの「国会議事堂、日没」(1904年)、4位が80票のルネ・マグリットの「9月16日」(1956年)、5位が78票のアウグスト・ジャコメッティの「色彩のファンタジー」(1914年)、6位は66票でパウル・クレーの「スーパーチェス」(1937年)、サルバトール・ダリの「バラの頭の女」(1935年)、マルク・シャガールの「パリの上で」(1968年)、クロード・モネの「睡蓮の池、夕暮れ」(1916?22年)、そして10位が63票でピート・モンドリアンの「赤、青、黄色のあるコンポジション」(1930年)となっています。
私の印象に残ったのは、やはりゴッホの「サント=マリーの白い小屋」で空の青と壁の白、そして草の緑などの色彩のコントラストは見事でした。
ホドラーの「日没のマッジア川とモンテ・ヴェリタ」、オスカー・ココシュカの「モンタナの風景」、ポール・セザンヌの「サント=ヴィクトワール山」、シャガールの「窓から見えるブレア島」など自然を題材にした作品も印象に強く残りました。
海外の文化に目を向けよう
一枚のキャンバスに描かれた絵画を通して、その時代や作者からの強いメッセージが伝わってきます。作品を見て回るだけでもスイスをはじめヨーロッパの芸術、文化そして自然に触れた感じがしました。
私が経営する会社が比較的外資系企業との仕事が多い関係もあり、パブリック・リレーションズ(PR)を通じ多くの海外の皆さんとご一緒する機会があります。それぞれの企業や仕事内容を理解することは当然ですが、その会社やそこで働く人が育った国に目を向けることも大切です。
母国の文化や、芸術、スポーツなどに関する話から、仕事が一気にうまく運ぶこともこれまでの経験で多々あります。
ビジネスのグローバル化、ダイバーシティ化が加速するなかでともすれば、その国の言語を話せるだけで、その国を理解したような錯覚に陥ることも多いのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
今週ミーティングする海外からの来訪客の母国について、早速、インターネットでリサーチしてみようと思います。