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2014.05.08

13年度の乗用車保有率は82.0%と過去最高〜輸入小型車がダウンサイズ志向を牽引

皆さんこんにちは井之上 喬です。

GWはいかが過ごされましたか。車で外出された帰りに道路渋滞に巻き込まれ、大変な思いをした方も多いのではないかと思います。

日本自動車工業会(JAMA)が隔年に実施している乗用車市場動向調査によると2013年度(2013年4月〜14年3月)における全世帯に占める乗用車の国内保有率は82.0%と過去30年間で最も高い水準となったようです。大型連休での道路渋滞は止むえないことかも知れませんね。

乗用車は、リーマンショックによる大幅な需要減となった09年度を除けば、1983年以降の保有率はほぼ右肩上がりで伸び続けているとのこと。特に保有の伸びは地方で顕著に表れ、13年度における首都圏での保有率は71.0%にとどまったのに対し、車が足代わりとなっている地方全体では87.9%と高い数値を示していました。

また、同調査によるとユーザのダウンサイズ志向も顕著になっているとのこと。こうしたダウンサイズ志向を牽引しているのが輸入小型車。そういえば最近、オシャレなデザインの輸入小型車を街で見かける機会が多くなりました。

輸入車シェアも過去最高の8.8%

日本市場での輸入車販売台数は増加傾向にあるようです。JAMAの調査によると2013年度の輸入車の新車登録台数は前年度より何と22.9%も増加し、30万2018台。

この結果、軽自動車(排気量660cc以下の三輪、四輪自動車)を除く乗用車の販売台数に占める輸入車の割合は8.8%と過去最高の数字を示したとのことです。景気の停滞や若者の自動車離れで自動車市場が縮む中で、輸入車が健闘している理由として次のことが挙げられています。

ひとつは消費増税前の駆け込み需要。ふたつめとして日本の自動車市場の二極化が挙げられています。

13年度に日本で売れた乗用車の約4割は軽自動車。車そのものの値段だけでなく、ガソリン代や税金といった維持費も安く、車に実用性を求める人が普通車から軽自動車に乗り換えていく傾向が顕著となってきているようです。

輸入小型車のユーザは新たな富裕層

こうした経済性を求める層が増加する一方で、「値段が高くてもいい車に乗りたい」という富裕層が増え二極化の傾向をを強めているとしています。アベノミクスで株式などの資産を増やし富裕層が300万円台の「プレミアムカー」と呼ばれる輸入車を買っているのです。

かつて、「輸入車は燃費が悪い」といわれてきましたが、最近では輸入車の燃費もかなり改善され、国産車との差も縮まってきているようです。また、燃費の改善だけでなく販売やサービス拠点の拡大、残価設定ローンの導入など高い車を買いやすくする努力が効を奏しているともいわれます。

円安傾向は輸入車にとって逆風ですが、ブランド力のある輸入車は円高の時にもあまり価格を下げなかったので、ここにきてもダメージはさほどないというのも強みですね。

13年度において販売台数を伸ばしている輸入車メーカーのベスト5を紹介すると、第1位はフィアット(前年比54.3%増)で、続いてメルセデス・ベンツ(同39.5%増)、ボルボ(同29.7%増)、フォルクスワーゲン(同25.2%増)、BMW(同20.7%増)という順になっています。

オバマ米大統領が来日した先月、TPPを巡り甘利明経済財政・再生相と米通商代表部(USTR)のフロマン代表との間で深夜から明け方まで異例ともいえる厳しい協議が続きました。皆さんもご存知のように日本が牛肉と豚肉にかける関税と自動車の安全基準を巡って協議は平行線のまま終わっています。

自動車分野においては、米国は米国車をそのまま日本に輸出できるように日本の安全基準を緩めることを求めてきましたが、日本側は「安全基準を緩めることは国の主権にかかわる」と慎重な対応に終始していました。

例えば点滅ランプ。日本では車両保安基準で点滅するランプは、橙(だいだい)か黄色と決められており、米車の方向を指示する赤いウィンカーは使用できません。

また、米国は米国車の輸入台数の目標も求めており、これに対して日本側が反発するのは当然のことだと思います。

オバマ大統領自身が口にした「政治的事情」をかさに、例え米国の無理押しが通ったとしても日本の市場ニーズを的確に反映したローカリゼーションや安全基準などが満たされないかぎり、国内ユーザは米国車を歓迎しないはずです。

パブリック・リレーションズ(PR)の先進国でもある米国は、日本市場で欧州車を凌駕し、優位性を確保できるよなPR戦略やマーケティング戦略を急ぎ構築する必要があるのではないでしょうか。

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