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2013.12.19

2013年心に残った音〜自然界の音やテレビから流れる音などを対象に選出

皆さんこんにちは井之上 喬です。

既にご存知のように2013年の世相を表す漢字は、「輪」に決まりました。これは毎年、日本漢字能力検定協会が漢字の日となる12月12日に全国から募集して決めています。

今年は17万0,290票の応募があり、そのうち約5.6%となる9,518票を集めた「輪」が「今年の漢字」に選ばれたもの。

今年の漢字に「輪」を選んだ人たちは、その理由として、東京五輪招致や自然災害への国内外の支援の輪のほか、TPP交渉に日本が参加するようになり、アジア太平洋地域の輪に入るかどうかを意識したことや、プロ野球で東北楽天イーグルスが初優勝し、東北を中心とした応援の輪が印象的だったことなどが挙げられていたとのこと。

また毎年この師走の時期になると2013年日本流行語大賞をはじめ、楽天市場やアマゾンの「年間売れ筋商品ランキング」や、「消費者が選ぶ時事・世相ベス10」(電通)など、さまざまなランキングが発表されます。

今回は、こうしたランキング発表の中から、特に私が興味を引いた「2013年心に残った音」を紹介します。

第1位は「五輪決定の瞬間」

ある補聴器メーカーは、自然界の音や生活の営みの音、機械的な電子音やテレビから流れてくる音など、日常生活を彩るさまざまな音について20歳以上の男女各500人、計1000人を対象に2013年の「心に残った音」の調査を実施し、その結果を公表しています(リオン社)。

第1位に選ばれたのは「2020年東京五輪決定の瞬間」で、51.3%という高い支持を集めています。
IOCのジャック・ロゲ会長が封筒から取り出した“TOKYO 2020”と書かれたカードを示して「トウキョウ」と発表した瞬間のどよめきと喝采は、総会会場にとどまらず日本全国で巻き起こりました。歓喜の大歓声とともに、その際の様子は今でも強く日本人の心に刻み込まれています。

第2位は33.9%を得た、「日本シリーズ最終戦9回に田中投手が登場した時のスタジアムの歓喜と歓声」。東北地方では61%の支持を集めて第1位となっています。

続いて第3位に選ばれたのは一転して日本中に不安をもたらした「大型台風などによる暴風雨の音」で31.5%。北海道・東北・関東の東エリアでは36.2%で第2位なのに対し、中部・近畿・中国・四国・九州の西エリアでは26.0%で第4位と、地域差が大きく現れる結果となっているのも興味を引きます。

第4位は「群衆に呼びかけるDJポリスの声」29.7%。機転のきいた巧みな話術が深く人々の心に残ったようです。年末年始の交通混乱時に、新たなDJポリスの登場が検討されているようです。

第5位は「伊勢神宮と出雲大社の遷宮の儀式における荘厳な音(ね)」22.6%。荘厳な音とはどういう音なのかについては、実際に現地で実感しないと分からないが、地元の人は「普段はざわざわしているので味わえない『静か』という音だ」と紹介しています。

音楽以外の音は映像と共に心に沁みこむ

第6位にはドラマのワンシーンがランクイン。「大ヒットの銀行ドラマ『半沢直樹』で、主人公を叱責するために机をたたく音」21.9%。TVドラマのシーンが思い起こされます。

第7位は再び野球のシーンで「ワールドシリーズで優勝を決めた瞬間のレッドソックス上原選手の雄たけび」15.2%。

第8位「ロシア・ウラル地方での隕石爆発の音」12.0%。天空から地上に滑るように落下したTVシーンが目に焼き付いています。

第9位は「世界遺産に登録された富士山に殺到した登山客の喧騒」8.9%で、第10位には「サッカーワールドカップ出場を決定づけた本田選手PKゴールの瞬間」8.8%がそれぞれ選ばれています。

これから年末にかけて、シャンパーンを抜く音や乾杯の声、そしてメリークリスマスといった掛け声などが多く聞かれることになりますが、こうした日常生活を彩るさまざまな音や声に耳を傾けるのも新たな楽しみになると良いですね。

私の大学(早稲田大学、京都大学院)の授業「パブリック・リレーションズ(PR)論」では学生にメラビアンの法則を紹介しています。これは、米国のアルバート・メラビアンが提唱したもので、プレゼンテーションの評価は内容よりも見た目と耳からの印象で決まるとし、55%が表情、服装、髪型などの見た目で、38%が声の質、話しのリズムなど音に対する印象、最後のプレゼンの内容は僅かに7%に過ぎないというものです。

こうしてみると音や声による情報は、ビジュアル情報が付加されることで印象度合いが違ってくるのではないでしょうか。

さて、あなたにとって「今年一番心に残った音」はなにですか?

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