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2013.07.18
「日本取引所」が始動〜結構あった日本企業の世界シェアトップ分野
皆さんこんにちは井之上 喬です。
海の日を含めた連休、いかがお過ごしでしたか?
暑く長い夏になりそうですが、東北地方でも海開きが各地であったようです。東日本大震災の被災地、福島県いわき市でも茨城県に近い勿来海水浴場に加え、今年は四倉海水浴場もオープンしたとの報道がありました。
いわきの海岸線は遠浅の海岸線が続き、震災前は多くの海水浴場でにぎわっていたようですが、2年以上が経過したこの夏も、がれき処理が進まず海水浴場としての受け入れ態勢が不十分なことから、昨年より1カ所増えた2カ所でのオープンになったとのこと。
東日本大震災、福島第一原発事故からの復興にはまだまだ時間がかかりそうです。私たちも決してこのような被災地の厳しい現状を忘れてはならないと改めて思いました。
韓国企業がスマホなどデジタル市場を席巻
7月1日の日経産業新聞に毎年、日本経済新聞がまとめている「主要商品サービスシェア調査」の2012年の結果が掲載されていました。
詳細は紙面を参照いただくとして、同紙で注目すべきポイントは「対象50品目のうち携帯電話端末、リチウムイオン電池など7品目で韓国サムスン電子グループが首位に立った。」とし、「LG電子なども含めた韓国勢はデジタル市場で勢いを強めた」とデジタル市場での韓国企業の躍進ぶりを示していたことです。
また、近年成長が著しい中国企業については、白物家電のハイアール、パソコンのレノボなどはこれまでの勢いを維持しているものの、粗鋼や風力発電機などの分野では中国市場の景気減速のあおりを受けてシェアダウンがみられ、業種によって明暗が分かれた格好になっているとしています。
日本企業はと言えば、首位に立っている商品サービス分野は12におよび、炭素繊維(1位が東レ、2位が東邦テナックス)、多関節ロボット(1位がファナック、3位に安川電機)、自動車(トヨタ自動車)、ゲーム機器(1位に任天堂、2位にSCE)、デジタルカメラ(1位キヤノン、2位ニコン、3位ソニー)、ビデオカメラ(1位ソニー、2位JVCケンウッド、3位パナソニック)、マイコン(ルネサスエレクトロニクス)、白色LED(日亜化学工業)、CMOSイメージセンサー(ソニー)、自動車輸送台数(日本郵船)、原油輸送量(商船三井)、そして産業車両(豊田自動織機)の12品目となっています。
日経新聞は「日本勢はデジタル部品やカメラで健闘。円高修正の動きが出ている2013年は日本勢の巻き返しに期待がかかる」としています。
アベノミクス効果が本物なのか、グローバルで生き残れるのはそれぞれの業種でトップシェア3社までと言われる厳しいグローバルビジネス環境。
日本企業の真価がこれから問われることになりますが、これだけの分野で日本の企業が世界のトップシェアを維持し頑張っているのを改めて確認できたことはうれしい限りです。
東証と大証統合し「日本取引所」が始動
グローバルビジネス展開を見越した日本の証券取引所「日本取引所」が7月16日から東京証券取引所と大阪証券取引所の現物株の市場を統合し取引が開始されました。
この統合により上場企業数や株式売買代金でNYSEユーロネクスト(米国部門)、ナスダックOMXに次ぎ世界第3位の証券市場となりました。
統合初日の取引では大証での取引が中心だった任天堂、村田製作所、日本電産、近鉄百貨店、王将フードサービスなどが注目され、売買代金が膨らんだようです。
アジアの取引所でナンバーワンを目指す第1歩を踏み出したわけですが、多くの課題も指摘されています。
取引所自体の株式時価総額が世界で9位、デリバティブ(金融派生商品)の取扱高が17位と低く、魅力あるサービスの拡充が今後の課題とされています。
世界の金融市場はますますグローバル化、高度化が進んでいます。日本取引所も2014年3月には、先物やオプション取引などの市場を大阪に統合し取引機能を大幅に充実させる計画だそうです。
世界の投資家を呼び込み日本経済を活性化するためにも、スピーディな対応が望まれるところですが、取引商品やサービスの充実とともにいかに魅力ある取引所であるかを世界にアピールするかも見逃せないポイントだと思います。これらは、これから本格的にグローバル展開を考えている日本企業にも共通する点だと思います。
これらの状況をみても、パブリック・リレーションズ(PR)が人、モノ、金、情報を統合する第5の経営資源として、ビジネスの世界戦略の構築には不可欠なものであることを認識することが重要であると確信しています。