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2019.06.25

「G20大阪サミット2019」今週開催へ
〜脱プラスチックへ始動

皆さんこんにちは、井之上喬です。

6月18日、山形県沖の日本海で発生した地震で被災された皆さんにお見舞い申し上げます。1日も早く平穏な生活が戻るよう心よりお祈りいたします。

5月13日のこのブログでも触れましたが、いよいよ今週6月28日(金)と29日(土)の2日間、大阪を舞台に「G20大阪サミット2019」が開催されます。

この機会に、世界経済、貿易・投資、環境・エネルギー、雇用、イノベーションなどが主要テーマになりますが、既に関連の様々な会議が開催されています。

具体的な廃プラ削減の取り組みを

その中で注目したのが6月15日と16日に長野県軽井沢町で開かれたG20エネルギー・環境閣僚会議です。この会議では、海に流れ出すプラスチックごみ(廃プラ)の削減に向けた国際枠組みの創設などを盛り込んだ共同声明を採択しました。

これを受けて各国は具体的な行動計画をつくり、毎年進捗状況を報告することになり、まずは秋にも日本で初会合を開き、互いに検証する体制を始動することになっています。

具体的な削減策や目標については、各国のごみ焼却施設の整備状況、分別処理の方法などが異なることから各国の自主性に任せるとしていますが、相互に監視して削減効果を狙うものです。

ニュース報道にもありますが、スターバックスやマクドナルドが使い捨てのプラスチックストローの使用を取りやめる、と発表するなど世界中でプラスチックごみへの関心が急速に高まっています。

「フィリピンに打ち上げられたクジラの死体から、重さ計40キロにもなる大量のプラスチック袋が見つかった」。この衝撃的なBBCニュース(3月20日)を記憶されている方もいらっしゃるかと思います。

四方を海に囲まれた海洋国日本では、廃プラ問題についてはこれまで周辺諸国から大量のごみが流れ着いているという報道がクローズアップされがちです。

しかし、日本から排出される廃プラが海流に乗って米国西海岸そして東南アジアに数日間で漂着しているという事実もあり、私たちは被害者でもあり加害者でもあることを認識する必要があるのではないでしようか?

深海に沈む多くのプラスチック廃品だけでなく、CO2問題や異常気象など、この地球はまさに瀕死の状態にあるといえます。

SDGs実装の時代に

国連で2015年に採択されたSDGs(持続可能な開発目標)でも海を守る、水を守るなど環境に関連する達成目標が盛り込まれているのはご存知だと思います。

ストローだけでなく様々な包装容器、買い物袋などプラスチック依存度が高い日本の企業にとって廃プラ問題は、他の社会課題と比べて優先課題とはならなかった経済的な側面があるのも事実だと思います。

しかし、SDGsが世界規模で実装時代に突入していることで、企業の環境問題などへの対応を重視するESG投資も一気に拡大。企業そして消費者の意識も大きく変化していると感じます。

G20の議長国の日本は、これをきっかけに世界をリードする取り組みが求められていると考えます。私の会社(井之上パブリックリレーションズ)も社会性の強いパブリック・リレーションズ(PR)活動を通じ、この大きな地球規模の課題解決に微力ながら貢献できればと強く感じています。

2013年、インドネシア・バリ島のグリーンスクールに通う当時10歳と12歳だった姉妹が始めたプラスチック「レジ袋ゼロ」運動。「バリの海を美しくしたい」そう願って始まった活動は、ついに州知事に「2018年までにレジ袋撤廃」という公約をさせ、COP21にも招待されるなど世界の廃プラスチック運動に先鞭をつけました。

この事例は、当社のグループ会社である日本パブリックリレーションズ研究所が4月に発行したグローバル時代に生きる中高生向テキスト『パブリック・リレーションズ for School』でも取りあげています(http://www.japan-pri.jp/news/224/)。

また、この事例は中学生であっても「やりたいこと」を一生懸命、計画的に実行すれば、世界を変えることができるという可能性を示しています。企業や自治体、ボランティア団体などの環境問題への取り組みだけでなく、こうした市井の人たちの活動を世界に広く共有させていくこともパブリック・リレーションズの重要な役割となります。

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