パブリック・リレーションズ

2012.02.13

新旧交代する東京の名所 〜スカイツリーから見える日本の未来は?

こんにちは、井之上 喬です。
相変わらず続く厳しい寒さですが皆さんいかがお過ごしですか?

今回のブログは少し気分を転換し、「長い」お話しと「高い」お話しで構成しました。先ずは長い方からの紹介です。

東京港の埋め立て地にかかる「東京ゲートブリッジ」が昨日(2/12)開通しました。このニュースをテレビで目にした人も多いと思いますが、車や歩行者で大賑わいでした。
東京ゲートブリッジの全長(陸上部アプローチ橋含む)は2,618メートル。海上を跨ぐ区間の長さだけでも1,618mで、何と「レインボーブリッジ」や「横浜ベイブリッジ」の約2倍の長さがあります。

レインボーブリッジからゲートブリッジ「恐竜橋」へ

橋の設置場所が羽田空港に近く航空機の運航ルート上にあるため、橋の高さに制限(98.1m以下)が課される一方で、大型船舶の運航も可能なように桁下も54.6mとなりました。

こうした設計上の制約が東京ゲートブリッジをユニークな形状に仕上げています。2頭の恐竜が向き合っているような特異な外観から「恐竜橋」とも呼ばれています。

ゲートブリッジ「恐竜橋」

東京ゲートブリッジは、東京港第三航路を跨ぎ中央防波堤外側埋立地と江東区の若洲を結ぶ橋梁。昨今の東京港におけるコンテナ量の増大は、お台場エリアの国道357号(湾岸道路の慢性的渋滞を生じさせていました。

この橋の開通で新木場から羽田までの時間が10分程度短縮されるとともに、一日約3万2,000台の通行量のあるお台場エリアの物流円滑化と臨海副都心での渋滞緩和にもつながると期待されています。

お天気の良い日は、橋上から富士山や「東京スカイツリー」を一望でき、今後は東京の新たな観光名所として注目を集めそうです。

東京タワーから東京スカイツリーへ

そして高い方のお話しは、昨年11月、「世界一高いタワー」としてギネス世界記録に認定された東京スカイツリー(634メートル)。

333メートルの東京タワーと高さを比較すると、これも約2倍の高さになります。
スカイツリーの事業体である東武鉄道は、先週(2月9日)、スカイツリー完成が今月29日になると発表しました(開業5月22日予定)。併せて内部施設の名称や展望台での演出内容なども紹介されています。

東京スカイツリー

350メートルの第1展望台は「天望デッキ」と名づけられ、ここには「スカイレストラン634(むさし)」や「スカイツリーカフェ」が出店されます。

450メートルの第2展望台は「天望回廊」で、周囲110メートルのガラス張りの回廊からは、快晴なら約75キロ先まで見渡せ、首都圏をはじめ神奈川県の三浦半島や茨城県の霞ケ浦、山梨県大月市付近までが一望できるとのことです。

しかし雨の日や雲が多い日は、ツリーの上部に雲がかかり、せっかくの眺望が隠れてしまいます。第2展望台までの入場料は大人3千円。事業体では眺めが悪い日でも入場料は割引きしない方針で、その代りとなる特別な演出を考えています。

フルカラー演出が可能な発光ダイオード(LED)の投光器約40台を第1と第2展望台の屋根の上に設置。この灯光器を用いて周囲を取り巻く雲をライトアップしようという試みが進められています。

また、スカイツリーへの最寄り駅となる「業平橋駅」(伊勢崎線)を「とうきょうスカイツリー駅」に、「押上駅」を「スカイツリー前」へとそれぞれ改称する計画があります。

1902年に東武伊勢崎線吾妻橋駅(1931年から業平橋駅)が開業。 続いて1912年に京成本線(現・京成押上線)の始発駅として押上駅が開業しました。両駅とも100年にわたって 東京の下町で最も繁華な街のアクセスポイントとして利用者に親しまれてきた由緒ある駅名。

こうした由緒ある駅名を無くし新たな名所登場に合わせて改称してしまおうという姿勢に私個人としては賛成できません。伝統的なものと革新的なものの融合を図り、新たな名所をコアに地域社会の活性化を促すためにしっかりしたパブリック・リレーションズ(PR)の導入を考えて欲しいと思います。

東京タワーが竣工した1958年(昭和33年)は、日本が高度経済成長へ向けて力強い歩みはじめた時期。一方、レインボーブリッジが着工された1987年(昭和62年)は、バブル経済が最高点に近づきつつあった時期で、両者はまさに20世紀を代表する建造物でした。

東京タワーに代わるスカイツリー、そしてレインボーブリッジに代わるゲートブリッジからは、どのような日本の未来が見えるのでしょうか? 平和で希望に満ちた社会が展望できることを願っています。

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