趣味

2010.12.24

奇跡をもたらすクリスマス夜話 〜あなたはどの物語に感動しましたか?

『聖夜の贈り物』(太田出版)メリー・クリスマス! 井之上喬です。
きょうはクリスマス・イブです。あちこちの街に色鮮やかなイルミネーションが輝き、私たちの1年の働きを癒してくれるクリスマス。
きょうはそんなクリスマスに、ぴったりの本をご紹介したいと思います。

著者は百田尚樹(ひゃくた・なおき)さん。もともと関西を中心に活動する放送作家ですが、2006年に作家デビューし、本書はその第2作目として2007年に出版されたもの。本のタイトルは『聖夜の贈り物』(太田出版)で、クリスマスに起きた奇跡をオムニバス形式で5つの短編にまとめています。

女性が主人公の5話

それぞれ40ページ前後でまとめあげられた作品はどれも感動的なものです。
5つの短編集の主人公はいずれも女性。それぞれの人生を背負った女性のハートフルな物語が読者をファンタジーの世界に導いてくれます。

第1話は「魔法の万年筆」。主人公の恵子は長年勤めた会社をリストラされた日にホームレスに出会います。恵子は彼になけなしの財布の中から食べ物とお金をあげます。お返しに貰った不思議な万年筆。「この万年筆で願いを書くと、3つまで願いがかなう」と渡された1本の鉛筆が彼女にもたらしたものは?

第2話「猫」は、ある雨の夜、衰弱していた片目の猫を拾い一緒に生活する雅子。猫の「みーちゃん」と一緒に過ごそうとするクリスマス・イブの夜、派遣先の会社の社長と二人で残業をする羽目になります。

第3話「ケーキ」は、赤ちゃんの時に病院の前に捨てられた真理子は、恋を知ることもなく一生懸命生きてきましたが、20才のときに病院で自分が末期癌であることを知らされます。癌に冒されながらも、死の瀬戸際ですべての人生を生きた真理子の物語です。最後が意外な結末です。

第4話「タクシー」は、沖縄で知り合った男女4人。依子は自分の正体を偽って知り合った男性にしだいに引かれていきます。自己嫌悪に陥り苦しみもがく依子。何年かたったあるクリスマス・イブの夜、依子は酒に酔ってタクシーに乗ります。

第5話「サンタクロース」は、8才で母を病気で亡くし、20才で父を失った和子。結婚を約束した最愛の恋人は事故死します。自分も後追いをしようと死の淵をさまよう和子は、クリスマス・イブの夜にある町でひとりの牧師に出会います。18年後のクリスマス・イブの夜、彼女はその後結婚した夫に、その時に起こったことを初めて告白します。

これら5つの物語はいずれも感動的で、ハッピーエンドで終わっています。男性の作家が主人公の女性をきめ細やかに描いているのも興味深いところですが、女性だけでなく男性が読んでも、読みごたえのある本です。

また、5つの作品どれをとってもテレビ化すると面白そうなものばかり。この中で、どの作品が最も感動させたかひとつだけ選ぶとすると、私にとって心に残ったっ作品は、第3話の「ケーキ」です。
この本を読まれた皆さんはどの作品に最も心を揺さぶられたでしょうか?

今年もありがとうございました

2010年もいよいよ終わりに近づいています。世界ではいろいろなことがありましたが、皆さんにとって今年はどのような1年だったでしょうか?

1年間、井之上ブログをご愛顧くださり誠にありがとうございました。来年もさまざまな視点で、パブリック・リレーションズ(PR)をとり上げ、より充実したブログにしていきたいと考えています。
(新春は1月5日発行となります)

それでは良い年をお迎えくださいますよう。

井之上 喬

 

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