時事問題
2010.07.05
2020年、驚異のスーパーハイビジョン登場 〜日本経済復活の新兵器となるか
こんにちは井之上 喬です。
サッカーのワールドカップ、日本代表、ほんとうにがんばりましたね。
毎試合テレビ(TV)にかじりつき、寝不足の皆さんも多かったのではないでしょうか。この家庭用テレビもあと10年するとドラスティックに変わります。
TV、それはイ、ロ、ハの「イ」から始まった
私たちの生活の一部になっているテレビ。TVはさまざまな情報機器とのヒューマン・インターフェースとして近年ますます進化しています。3D対応のフラット・パネル・ディスプレイ(FPD)が今春発売されたのは記憶に新しいところです。
日本でのテレビのルーツは、1926年12月にさかのぼるそうです。「日本のテレビの父」といわれる高柳健次郎さんが、試行錯誤の結果、電子式のブラウン管(CRT)にイ、ロ、ハのイの文字をはっきりと映し出すことに成功しました。
それから80年以上が経ち、街頭テレビに人々が殺到した時代から家庭には複数台のテレビが当たり前の今日、CRTは液晶やプラズマなどのFPDに置き換わり、1年後の2011年7月24日にはアナログ放送が終了し、地上デジタル放送に切り替わります。
これまで日本のテレビを取り巻く技術、ビジネスは長年にわたって日本経済を牽引し、家電大国ニッポンの象徴になってきました。
しかし、FPDや3Dテレビの時代になって日本のお家芸であったはずのテレビに大きな変化が訪れています。
大型の家電量販店のテレビコーナーには日本メーカーに加え、韓国のサムスン、LGなどのブランドが登場してきました。この傾向は米国などではさらに顕著になっており、さらに世界的な競争が激化すると考えられます。
多くの日本人にとって、家電の凋落は日本経済の凋落と結び付けられるほど「家電大国日本」への思い入れは強いはずです。
しかし現実は、韓国サムスン一社に日本の大手電機メーカー複数でも太刀打ちできない状況にあります。
R&DはNHK技研
そんな中、日本のお家芸を守る技術として、NHKが研究・開発を進めている「スーパーハイビジョン(超高精細映像システム)」に遭遇しました。
5月末、NHK技術研究所は、スーパーハイビジョン・シアターを一般公開。その映像と音響の素晴らしさを紹介。
スーパーハイビジョンは、映像は現在のハイビジョンの16倍の高精度を誇り、走査線の数は4320本で3300万画素。
さらに22.2マルチチャンネル音響によるスーパーハイビジョン・システムは、映画館のような迫力を間近に体験できるとともに、その場にまさに居合わせるような臨場感は強烈で大きなビジネスの可能性を持っています。
NHKは、10年後の2020年に21GHz帯衛星を使ってフルスペックのスーパーハイビジョン試験放送を予定。
そのために家庭用の100インチクラスFPDの開発、将来的には100?150インチ程度のシート型ディスプレイの開発も目指しています。これにより莫大な市場が生まれるはずです。
スーパーハイビジョンは、驚異的な臨場感と迫力を家庭で楽しめるまさに夢のテレビ。ニッポン技術陣の面目躍如、その奮闘で日本経済をよみがえらせてほしいものです。
そしてスーパーハイビジョンの登場はパブリック・リレーションズ(PR)の手法にどう影響を与えるのかも気になるところです。
10年後、我が家に大型化した、スーパーハイビジョン対応システムをどのようにして搬入しレイアウトすればよいのか、いまから嬉しい悩み事ができてしまいました(笑)