アカデミック活動

2018.11.22

アジア中東講演ツアーを終えて〜地域との共生を日本の戦略に

先週約2週間のアジア中東(ベトナム、インドネシア、フィリッピン、UAE)ツアーから戻りました。

今回のツアーは、今年3月にロンドンで発刊された英語本のプロモーションが主目的で、各国のMBAや国際会議などで7回の講演や特別講義、そして中東UAEでは英語本に加えて、絵本「なかなおり:いあな」のプロモーションや同国での「きずな教育」の幼稚園展開など、複数の目的を持ったこれまでとは異なった旅でした。

ハノイ、ジャカルタ、マニラは、京都大学経営管理大学院が提携している、現地を代表するMBAスクール訪問。最初の訪問先はハノイのFTU(ハノイ貿易大学)でした。

覚醒した、ベトナム、インドネシア、フィリッピンの学生FTUでは、京大MBAやグローバルビジネス学会のプログラムで知己のある教授や学長の出迎えを受けました。

カンファレンスは、日越外交樹立45周年記念行事の一環として開催され、ハイパー・グローバリゼーションが主テーマ。

私は“Public Relations in Hyper-globalization”を演題に講演とワークショップに参加させていただきました。
終了後、日本から訪問した歌人のまほろば薫さん主催の「Round Table」により山形の啓翁桜の苗木20本が運び込まれ、キャンパス内(2カ所)での記念植樹が行われました。JETROやJAICAなどの現地責任者の皆さんも出席しましたが、桜のもつ魅力は万国共通ですね。

滞在中に、ウーバーと類似のGrabを体験しましたが利用がってがとても良く、キャシュレス化が猛スピードで進行しています。

ハノイの街の交通事情はサーカス的で、四輪車、二輪車、自転車が入り乱れて走り、その高度な運転技術的には驚愕します。ベトナム戦争でアメリカ軍に勝利した国民のすさましいエネルギーを改めて感じさせてくれたのでした。

ハノイを後に、ジャカルタでは、バンドン工科大学(写真)、インドネシア大学のMBAでの特別講義を行い、そのままバリ島での国際会議”2018 Global PR summit”に出席し、“Hyper-globalization”をテーマに講演しましたが、旧知のDon Wrightボストン大学教授とは半年ぶりに再会。

夜行便でバリを後に早朝マニラ到着し、夕方からのアテネオ大学MBAスクールでの特別講義。共通しているのはアジアのMBA学生は探究力が旺盛で目の輝きが違います(写真)。日本もこの地域の人たちと力を合わせることで、これまでにない繁栄を享受できるのではないかと強く感じました。

一方、アジアには戦争の痕跡が方々に残っています。一番感慨を深くしたのは、マニラ郊外の「モンテンルパ刑務所」。少年時代にここを題材にした歌を思い出しましたが、偶然にこの地で絞首刑にあった、 山下奉文陸軍大将の墓と処刑された兵士(将校)の日あせした写真を見たときに感じた哀愁は、言葉では言い表せないものでした。

シャルージャでの国際ブックフェアへ参加

ひとり旅は気楽な反面くたびれます。マニラから夜行便で最後の地ドバイに早朝到着。町の景色は一転し、あたりの風景も緑であふれたASEANから土色に染まり、行き交う人達の民族衣装をまとった男女が街にあふれています。

私は7つの首長国のひとつシャルージャで開催されている国際ブックフェアに出席しました。
ドパイの隣、シャルージャでの国際ブックフェアは、11日間で入場者230万人を超える世界最大級の出版社のイベントで、教え子でこのイベント担当プロデューサーの金子家暢さんの招待です。

写真は、このイベントに協力いただいた現地総領事館の方々と私の3人の教え子たち。

ここでは最終日の10日に、Hyper-globalizationとPRについて講演しました。
開催中に日本から「なかなおり:NAKANAORI:」のPRのために、一足先に現地入りした作者カピリナの加藤志異さんによるイベントも好評で、歌って踊って似顔絵かきは、さながらショー。
合間を縫って、地元のインターナショナル・スクールを訪問。
石油が枯渇した先をどう生きるのか、パブリック・リレーションズ(PR)の視点で話しをさせていただきました。生徒たちの輝く目がとても印象的でした(写真)。

今回嬉しかったのは、早稲田時代の教え子3人と食事ができたことです。
この地に根を張り、日本と中東の架け橋になる決意をしている金子さん、島田佳苗さんのお二人にエールを送りたいと思います。

多くの皆さまのお力添えで、15日間のツアーを無事終えることができました。
この場合を借りて御礼申し上げます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■お知らせ
来月12月5日(水)18:00ー 日本外国特派員協会(FCCJ)にて、拙著“Public Relations in Hype-globalization”をFCCJメンバーに紹介するBook Breaksが催されます。

【会場】
会場はこの10月末に移転した日比谷のFCCJの新オフィスです。素晴らしいオフィスだと聞いています。アクセスについては下記リンクを参照ください。

http://www.fccj.or.jp/2015-02-02-04-29-17/2014-10-16-03-04-20.html

当日は午後6時までにご入場ください。

【スケジュール】
Book Breaksの通常のスケジュールにつき下記しましたので、ご参照ください。

・午後6時 開場
・午後6時15分頃 カクテル・パーティー 
・午後6時半以降 ディナー 
・午後7時15分 スピーチ(井之上)
・午後7時45分 質疑応答
・午後9時 閉会 

【言語】英語
【参加費】 3,500円(ディナー付き):当日フロントにてお支払いください。
【お申込み】氏名、所属(会社、団体名)、連絡先を明記し、front@fccj.or.jp へ11月28日(水)までにお申し込みください。

それでは当日、会場でお目にかかれたら幸いと存じます。

 

書籍

注目のキーワード
                 
カテゴリ
最新記事
アーカイブ
Links

ページ上部へ