アカデミック活動

2005.09.26

「パブリック・リレーションズ 特論」の授業を終えて。〜次世代を担うリーダーとしての活躍を期待

先週の月曜日(9/19)と火曜日(9/20)は千葉県鴨川市の山あいにある眺望の素晴らしい早稲田大学のセミナーハウスで合宿形式による「パブリック・リレーションズ特論」の最後の授業と試験を行いました。この講座は、2004年の前期の授業「パブリック・リレーションズ 概論」で教えた理論に基づいた実践学習授業です。

この春に始まった授業は、「早稲田大学が大学国際化のなかで如何に他大学と差別化をはかるべきか」といったことを最終目標(大きなゴール)に掲げ、パブリック・リレーションズライフサイクル・モデルに沿ったプランを作成し発表するといった内容のものです。グループ別に提出されたプランの中には興味深いアイディアが数多くありました。自分の帰属する大学を客観的に俯瞰し作成された各々のプランはよく練られており、若い人たちの柔軟性ある、シャープで新鮮な発想には感心させられました。また、隔週に行う変則授業でしたが、学生たちが授業のない日もグループで教室に集まり各々のプラン作りに励む姿を見て心を打たれました。

夏休み前には、朝日新聞の矢田義一さんとNHKの板垣信行さんに講師をお願いし、各チームによるメディアへのプレゼンテーションを行いました。プロの目からみると改善の余地が多くあり正鵠を得た厳しい指摘もありましたが、授業をのぞきにこられた「PRIR」(宣伝会議)の田上編集長も学生の熱意とレベルの高さに驚嘆されるほど、社会経験のない大学生のプランとしては高いレベルの内容だったと思います。

彼らのプランは将来大学側へも提案される予定です。このうち一つでも大学が新しい企画として採用し、新事業として実現すれば彼らはどんなに喜ぶことでしょうか。

先週の試験は、通常の倍の制限時間180分(3時間)をフルに使い、あらかじめ提示された条件に沿ってPRのライフサイクル・モデルに基づいたプランを作成し、それぞれのスタイルで論述を展開するといった内容でした。

翌日の最終授業では、一つの課題に対し様々なプランが立案されることを知ってもらいたいと思い、一人ひとりの解答に対し良い点、改善すべき点などコメント付の講評を行いました。短い時間で練られたプラン内容はいずれも授業での進歩が窺えるものでした。

最後の夜は、夕食後に打ち上げを兼ねた飲み会を開き夜中まで様々なことを語り合い、とても有意義な時間を過すごしました。一人ひとりがとても個性豊かで瞬く間に時間が過ぎてしまいました。

私にとって講義はいつも真剣勝負です。学生たちの純粋な探究心に応えるには、不用意な教育は許されないと考えているからです。ですから、いつも授業の後は全エネルギーを使い果たしたようにクタクタになってしまいます。特に今回の鴨川での集中講義が終了した時は、終わった後の充実感と共に「持てるエネルギーを放出しきった」これまであまり体験したことのない感じを味あわせてもらいました。

「パブリック・リレーションズ 概論」「パブリック・リレーションズ 特論」の副題は「次世代のリーダーのために」です。彼らの提出した感想レポートには、この授業で初めて出会ったパブリック・リレーションズが自分達の人生のなかで今後どのように関わり、活かされていくのか、それぞれの思いがみずみずしく述べられており、学生達が巣立ち将来社会で活躍するようになれば、日本も必ずや変わっていくだろうことを予感させてくれました。

これらの授業の第一期生となる受講生諸君が、将来まさに次世代を担うリーダーに成長し、社会に役立つ人間として力強く生き抜いてくれることを心より願わずにはいられません。

受講生の皆さんありがとう!

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