アカデミック活動

2005.05.16

大学の授業に2人のジャーナリストが登場し、メディアの特性と役割について語りました。

こんにちは。井之上喬です。
今春、早稲田大学で始まった「パブリック・リレーションズ特論」は、実践に重点をおいています。効果的なパブリック・リレーションズ(PR)活動には、PRのコアコンピタンス(中核競争力)となるメディアとの関わりが非常に重要になります。

5月12日の授業では、NHKと朝日新聞からお二人を講師としてお招きしました。現場の第一線で活躍中のジャーナリストに接してもらい、情報の出し手(組織体)とは異なる、情報の受け手として、文字どおりパブリック(オーディエンス)との間を取り持つ媒体としての役割やそれぞれの媒体(新聞、雑誌、TV)特性について、臨場感を味わいながら体感してもらいました。

新聞社からは、朝日新聞で経済記者をしておられ、前AERA副編集長で現在同新聞の週末版Beの副編集長として活躍されている矢田義一さんにお越しいただき、日刊紙や雑誌について、情報発信側である広報担当者との立場の違いを踏まえながら、実際の出版物を手にし、きめ細かな解説をしていただきました。

また、テレビ界からは、NHK放送局解説委員の板垣信幸さんのご協力をいただきました。ワシントン支局時代の大和銀行NY支店事件や山一證券の倒産、みずほ経営統合などご本人が現場で関わっておられたお話の中で、事件発生の際TVメディアと広報担当者との緊迫感あるやり取りなどを解説していただきました。

講義後の質疑応答も盛んで、90分の授業が瞬く間に過ぎてしまいました。授業後の懇親会で、居合わせた生徒2人が、この授業を受講したことがきっかけで、PR業界への就職を考えていることを知りました。その一人が、「この授業を受けなかったら、PR業界に入ることは考えませんでした…」と語ってくれました。ほとんどの学生が授業で初めてパブリック・リレーションズに接するわけですが、その素晴らしさを、一人でも多くの人に知ってもらいたいと願っている私にとっては、こういう言葉を聞けたときが、一番うれしい瞬間です。

パブリック・リレーションズの実務家を養成するには、パブリック・リレーションズの持つ広がりや、奥行きの深さとその重要性を伝え、認識してもらうことの必要性を改めて感じました。こういう人たちが、毎年巣立ってくれることにより、日本のPR事情が確実に変わっていくことを確信しています。

眼をキラキラさせながら真剣に取り組む学生たちを見ながら、将来この子達が育ち、そのなかから日本の明日を担う新しいリーダーが生まれるのではないかと、期待に胸を膨らませるのでありました。

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