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2018.10.11

九州でも大規模停電?どこかおかしい日本のエネルギー政策〜止まらない地球温暖化に日本政府は積極的な取り組みを

皆さんこんにちは井之上喬です。

体育の日も過ぎいよいよ秋本番。運動会に汗を流した方も多かったのではないでしょうか。何をするにもよい季節になってきましたね。

今回は環境、エネルギーに関するニュースをピックアップしてみたいと思います。

九州では太陽光発電などの「出力制限」の可能性?

まず北海道地震からはや1カ月ですが「ブラックアウト」から一転、電力供給量過多で大規模停電の恐れとの衝撃にニュースがNHKで流れ、不思議な感じを持ちました。

ニュースの要点はこうです。NHK NEWS WEBによると、「九州地方では秋に入って電力の供給が需要を上回って需給のバランスが崩れるおそれがあり、大規模な停電を防ぐために全国で初めて、太陽光発電などを一時的に停止させる「出力制御」が実施される可能性が出ています」

秋になって冷房を使う機会が減る一方で、太陽光発電先進地であることや原子力発電の再稼働などで電力供給が増えている九州地方では、電力の供給が需要を上回る状況が起きており、九州電力は電力の需給バランスが崩れて大規模な停電が起きるのを防ぐため、火力発電所の稼働を抑えるとともに、余った電気を本州や四国に送る需給調整を初めて行っているとのこと。

しかし、「こうした手段を講じても需要の少ない日には電力供給が過剰になるおそれもあるとして、九州電力が太陽光などの事業者に一時的に発電の停止を求める「出力制御」の実施を求める可能性が出ています」というもので、仮に「出力制御」が実施されれば離島を除いて全国で初めてとのことです。

太陽光発電で生まれた電力は現在、国の固定価格買取制度(FIT)に基づいて電力会社が買い取ることになっており、日照条件がよい九州は全国的に見ても太陽光発電などの導入が進んでいる地域で、九州では太陽光発電だけで8月末時点で出力が最大800万キロワット(原発8基分)に上っているとのことで、需要が少ない春や秋の晴れた日中には太陽光の発電量で需要の8割をまかなえるまでになっているとのことです。

一方で、原子力発電所が再稼働して、現在、川内原発と玄海原発の合わせて4基が常時400万キロワット以上を供給しており、九州では電力の供給が過剰になる可能性が出ているというものです。

電力は需給のバランスが崩れて周波数を保てなくなると、トラブルを防ぐため、発電所などが自動的に停止して大規模な停電が起きるおそれがあります。

北海道地震では苫東厚真火力発電所が停止し、供給力が急激に低下したことをきっかけにほぼ全域が停電する「ブラックアウト」に陥りましたが、今回は皮肉にも電力供給力が増えすぎて需給バランスが崩れることで大規模な停電が起きる可能性があるとのこと。

国は再生可能エネルギーを将来の主力電源の1つに据える方針で、電力構成として天然ガス、石炭などの火力発電に加え、原子力発電、再エネ発電などの、いわゆる電力ミックスの形で電源の多様化を進めています。

太陽光発電は再エネの中核エネルギーとなっています、太陽光発電の“泣き所”である出力の不安定さを解消するため、大容量蓄電池の開発や電力広域運用による電力融通の促進、また太陽光発電で得た電気で水を分解し、純正水素(CO2ゼロ)によるエネルギー備蓄などへの取り組みが緊急課題といえるでしょう。

世界の英知を結集し地球温暖化に歯止めを

そんな中、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、地球温暖化がこのまま進めば、18世紀の産業革命前と比べた世界の平均気温は、早ければ2030年に1.5度高くなると予測した特別報告書を公表したと10月9日に各メディアが報道しています。

異常気象や生態系への深刻な影響を警告しており、具体的には1.5度に気温上昇を抑えるには2050年前後に二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする世界的な大変革が必要であるとも指摘しています。

非常にハードルが高い困難な目標だと思いますが、それだけ事態は深刻だということです。

おりしも今月10月10日から11日まで東京では、日本政府主導で環境問題を解決するための国際会議であるInnovation for Cool Earth Forum(ICEF)が開催されています。https://www.icef-forum.org/jp/

今回が2014年の初開催から5回目を迎えます。世界のリーダーが一堂に会して技術イノベーションによる気候変動対策を協議、参加者だけにとどまらず、より幅広くエネルギー・環境技術におけるイノベーションを発信するとともに、日本をはじめ世界各国の最新動向に触れる場ともなっています。

おひざ元の日本政府には、世界の英知を結集し環境対策先進国としての大胆な政策に取り組んでもらいたいものです。

目的実現のために、様々なステークホルダーとのリレーションシップ・マネジメントを主柱としたパブリック・リレーションズ(PR)の活用が求められています。

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