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2015.01.29

今年は国連の「国際土壌年」、土に親しむ〜世界的な土の劣化対策が急務に

皆さんこんにちは井之上 喬です。

東京でもこの季節は霜柱を目にすることもありますが、相変わらず猛威を振るうインフルエンザに捕まらないように体調管理には留意しましょう。

2015年は「国際土壌年」だそうです。
聞きなれない用語ですが、Wikipediaによると、国際土壌年は2015年を期間として設定された国際年で、2013年12月に行われた国際連合総会で決議文が、国連食糧農業機関(FAO)に事務局を置く地球土壌パートナーシップ(GSP)主導のもと採択された、となっています。

さらに、国連総会では、土壌管理を適切に行うことが加盟各国の経済成長、貧困撲滅、女性の地位向上などの社会経済的な課題を乗り越えていくうえで重要であることが強く認識され、12月5日を世界土壌デーとすることが採択されたとしています。

そして、限りある土壌資源の持続性向上と必要性の社会的認知の向上に加盟国や関連組織などが自発的に務めるよう呼びかけ、持続的食料安全保障を希求する国際社会が土壌への理解を深め、適切な土壌管理支援のための社会意識の醸成が喫緊の課題としています。

人口急増のなか食糧供給の危機が

なぜ今、土(つち)なのでしょうか?
1月24日(土)の日本経済新聞土曜の別刷りNikkeiプラス1の「ニュースクール」では、「世界で土地がやせている? 3分の1が劣化、農業に打撃 山林開拓進み、風雨で流出」との見出しのショッキングな記事が掲載されていました。

それによると、2050年までに世界人口が90億人に達すると予想されるなか、人の命を支える農作物が育つ豊かな土壌が減り、やせた土地が増えているとのこと。

ここでいう劣化とは、土の養分が乏しくなり、回復が困難になる状況を指し、国連食糧農業機関(FAO)の2011年発表の報告書では、世界の土地の何と約3分の1が劣化傾向にあるとのことです。

世界土地・水資源白書などを分析すると、世界の土地の約21%が砂漠や湿地、劣化している土壌が約33%、安定している土壌はわずかに約46%と半分以下。

しかも植物や農作物がよく育つ養分のある土は表層から深さ20センチぐらいまでしかないそうで、劣化の大きな理由は、新興国などでの工業化による森林伐採が進み、それが原因で風によって豊かな土が流されていることにあるとしています。

豊かな土を作るのに数百年かかる!

森林伐採なので豊かな土を失うのは簡単ですが、岩石が風化して、植物や動物の死骸などが腐敗して、さらにミミズや微生物の働きが加わって、1センチの肥沃な土ができるには100年から数百年かかるとも言われているそうです。

この深刻な状況を回復しようと、世界各国で植林活動や土壌改良作業が進んでいるようですが、失った肥沃な土を取り戻すのはそう簡単なことではない気がします。

そう言えば子供たちが土に接する機会が、私の子どものころに比べると圧倒的に少なくなっている気がします。

泥団子を作って遊んだり、土の中のミミズや虫を探したり、そして芋ほりや小松菜、ほうれん草などの葉物採り、田んぼでの田植えや稲刈りなどなど、外で土まみれになって家に戻り、母親にしかられる、そんな環境の中にいる人はいまどのくらいいるのでしょうか?

裸足で土を踏みしめた感触によって、さまざまな刺激を得たような気がします。土の上での遊びを通じ、植物をはぐくんでくれる土の大切さを知る。そんな幼児教育が必要なのかもしれません。

森林が多く世界的に見ても恵まれた土地が多いと言われている日本。豊かな環境を次の世代に継承するためにも、もう1度、土の大切さを裸足で実感してみませんか。

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