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2013.05.13
朝食事情:自宅でとるか、外でとるか?〜懸念される若年層の食スタイル
皆さんこんにちは、井之上喬です。
今年のGWは、JTBが事前に国内旅行者数を過去最高の2,223万人(前年比1%増)と予測したように東阪の大型施設を中心に国内のレジャーが活況だったようです。初のGWを迎えた「東京スカイツリー」、大阪駅北側の再開発施設「グランフロント大阪」なども集客は順調だったようです。
一方、前半の3連休と後半の4連休に分かれ、日並びの悪かったこともあって海外旅行が不振。過去最高だった前年から5%の落ち込みが予想された海外旅行は、日航の国際線の利用客数が1.1%減、全日空が4.2%減と公表されています。
国内外への旅行でGWを楽しまれた方も、自宅でのんびりと英気を養われた方も、これからの梅雨や熱い夏に向けて体力づくりと健康維持が大切になります。体力づくりや健康維持に切っても切れないほど深い関わりのあるのが食事。
今回は、食事のなかでも一日のスタートとなる朝食についてお話します。
旅館での朝ごはんが理想形
厚生労働省では、理想的な朝ごはんを「主食・主菜・副菜がバランスよく含まれている食事」としています。主食はごはんやパンなど、主菜は肉や魚、卵、豆・大豆製品などのたんぱく質源となる食品を含むおかずで、副菜は野菜、海藻、きのこなどを使ったおかずになります。
つまり、さまざまな食品をバランスよく摂取するのが理想の朝ごはん。ごはん+味噌汁+焼き魚+野菜のおひたし+漬物……と旅行先の旅館の朝ごはんに出てきそうな食事が理想形のようです。
100歳の現役医師の日野原重明さん(聖路加国際大学理事長、名誉院長)といえば朝食健康法で有名。
朝食はコーヒー、ジュース、ミルク、オリーブ油を摂取されています。ちなみに昼食は、ミルクとクッキー2個で、夕食は茶碗半分ほどのご飯、たっぷりの野菜、それにヒレ肉か魚で1日1300キロ・カロリーに制限しているといいます。
朝食の採り方は年代によってさまざまなようですね。
朝食――「毎朝必ず」63%。これは5月8日付の日経MJ「1000人の家計簿」欄(4面)の見出しです。全国の20?60代男女1000人を対象に4月上旬に実施したインターネット調査結果を載せています。
平日に「毎朝必ず食べている」のは20代が最低で45.0%
朝食を自宅でとるか、自宅外でとるか——。
日経産業地域研究所の調査によると、全体では自宅派が多数を占めています。20代でも自宅でとるとの回答が増えたものの、その実態は、コンビニやファストフード店で購入した食品を自宅でとるといったことのようです。
平日に「毎朝必ず食べている」と答えた人は63.4%で、年代別にみると20代が最低で45.0%。
また、20代については、「ほとんど食べない」が12.0%、「食べないときの方が多い」17.5%で、いずれも全年代中で一番高い数値を示しています。
この1年間に平日の朝食を自宅外で済ませたことのある人は65.3%。そのうち「週1回以上」は12.6%で、これについても若年層の数値は高くなり、20代男性でみると「増えた」(26.6%)が「減った」(17.9%)を大きく上回り、外食傾向が強まっています。
自宅外でとる場合に多い食物や飲料(複数回答)は「パン類」(69.2%)がトップ。「コーヒー」(45.1%)、「ご飯類」(37.6%)、「サラダ・生野菜」(23.9%)が続く。「ご飯類」は20代でも37.8%と支持率は結構高く、意外な結果です。
利用する店は「コンビニで買って食べる」(41.4%)、「ハンバーガー店」(35.6%)、「セルフ式コーヒー店」(22.7%)が多い。自宅外での朝食で出費する1回あたりの金額は平均502円。60代が586円と最高で、40代以下は400円台にとどまっています。
皆さんの朝食スタイルはいかがですか。ビジネスの最前線で激務をこなしている20代の方の朝食の実態を知って少し心配になりました。私の会社(井之上パブリックリレーションズ)でも時々、若い社員がパソコンを立ち上げ、モニターを見ながらコンビニで買ってきたパンと飲みもので朝食を摂っている様子を目にします。
文部科学省の平成23年度体力・運動能力調査では、男女ともに6歳頃から年齢とともに体力水準が向上するものの、男性では17歳頃に、女性では14歳頃にピークに達し、男女ともに20歳以降は加齢に伴い体力水準がゆるやかに低下する傾向にあるとしています。
体力水準が低下をはじめる時期に、十分な朝食を摂らないのは心配です。若年層にかかわらず国民レベルの体力づくりや健康維持といった観点からも健康生活をアピールするためのパブリック・リレーションズ(PR)が必要となります。