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2012.08.22

お盆が終わり・・・〜今年も弓削島に

こんにちは井之上 喬です。
皆さんいかがお過ごしですか?

お盆休みのピークが過ぎ8月も終わりに近づき、故郷に静けさが戻りつつあります。広辞苑(1989年第3版第7刷)で「お盆」を引くと「盂蘭盆(うらぼん)のこと」とありました。

「盂蘭盆」(梵語ullqambana)については、「7月15日を中心に種々の食物を祖先の霊に供えて餓鬼に施し、祖先の冥福を祈り、その苦しみを救う行事」また、「(中略)この日、一般には墓参、霊祭(たままつり)を行い、僧侶が棚経(たなぎょう)にまわる。地方によっては日が異なる。」とあります。明治5年の明治政府は新暦(太陽暦)を採用しましたが、最近では多くの地域とりわけ地方ではお盆の行事は8月に行なわれることが多いようです。

弓削島の夏休み

私は例年この時期、瀬戸内海に浮かぶ美しい小さな島、「弓削(ゆげ)島」(愛媛県)で夏休みを過ごしています。

亡き母の故郷である弓削島は、「しまなみ海道」から外れた離島。2004年にこの島弓削町と生名(いきな)村(島)、岩城村(島)、魚島村は統合され上島(かみしま)町が新設されました。
これらの島の往来には船が使われていましたが、いまは弓削と生名との間は橋でつながり一部車の往来が可能です。

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この弓削島には97歳の叔母やいとこが元気に過ごしています。私にとって「いのちの洗濯」には最高の場所です。

水が好きな私にとって、島にある松原海岸という海水浴場で泳ぐことが大好きです。ここにいると波の音や風の匂い、子供たちの笑い声で私は幼い自分に戻ってしまいます。

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今年はお盆シーズンが過ぎていたこともあり、クラゲがたくさん出始めていて子供たちと一緒にクラゲ捕りを心から楽しみました。

福島の子供との出会い

毎年泊まっているこの島のホテル(FESPA)の朝食堂で、子供たちと若いお坊さんの団体を見かけました。一人のお坊さんが騒がしい子供たちを気を遣い、「お騒がせしてすみませんね」と笑って私に話しかけてきました。

「子供さんたちは夏季合宿ですか、何処からいらっしゃったのですか?」と聞くと、「福島から来た子供たちです」。

そして、「私たちは四国曹洞宗青年会のメンバーで、今回福島原発の被害にあった子供たちの四国招待を企画しそのプログラムに同行しています」と答えてくれました。

この丸刈りの一見「いかつい」方は、四国地区曹洞宗青年会会長の伊藤和人さん。伊藤さんによると、招待された子供たちは全員小学生で20名。これに四国をはじめ全国から約30名の同宗青年会メンバーが弓削島に集まったようです。

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曹洞宗青年会(曹青会:会長 松岡広也; http://www.sousei.gr.jp/ )は全国組織で40歳以下の曹洞宗の青年僧侶で構成され現在会員数3500余名。東日本大震災では、被災地に生活用品を送ったり被災地に赴きガレキ撤去や炊き出し、給水作業を行うなど積極的な奉仕活動を行っています。

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阪神淡路大震災をきっかけに、自由を阻害されている被災地の子供に心と体のケアを行う目的をもった「こども自然ふれあい広場」を始めたといいます。

曹青会は昨年、被災に苦しむ子供たちを福島県の尾瀬に招き交流会を開催しましたが、今年は子供たちを県外に連れ出し、秋田、山口での交流会に加えて、この弓削島や隣島の生名での地元の子供たちとのふれあいを通じて、海水浴やスナックゴルフなどの野外行事を楽しんでもらっているようです。

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募集は全国の曹洞宗のお寺やNPO法人「子供を放射能から守る会」などが窓口になり、財政的支援は、曹青会を始め広く全国のお寺、企業などから仰いだとしています。

弓削での行事には、上島町の協力を得てスタッフや宿泊の提供を受けたことなど、お坊さんたちは熱く語ってくれたのでした。

子供たちを見ると放射能から身を守るためにそうなったのか、日焼けのあとがない色白の子供が多かったことが気にかかりました。

この子たちが思い切り新鮮な空気を吸い、真っ黒になるまで、この地の海で泳いで欲しいと願わずにはいられませんでした。

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