アカデミック活動

2006.08.25

パブリック・リレーションズとの出会いを通して、〜前期の授業終了

こんにちは、井之上喬です。
厳しい残暑が続きますが、皆さん、いかがお過ごしですか。
7月末に、早稲田大学大学院商学研究科MBAコースの授業と同大学学際授業「パブリック・リレーションズ特論」の授業を終えました。

上司と部下が同じ授業に

MBAでのプロフェッショナル・コースの授業は、ケーススタディを通して理論を踏まえた実践を学ぶ授業でした。社会人である院生の探究心や向上心の強さには目を見張るものがあり、より深く踏み込んだ授業を行うことができました。

少人数での授業は家族的で、日ごろ抱えている問題を皆で考えたり解決法を論じたり充実したものでした。嬉しい出来事は、受講生の一人が所属する会社の上司である部長さんが、2回に1回のペースで聴講生として参加し真剣に学んでいったことです。とてもほほえましい光景でした。

忙しい中一度も休まず、一日平均5-6時間の睡眠で授業に出席し熱心に取り組んでくださった皆さんありがとうございました。

一方「パブリック・リレーションズ特論」は2005年の後期の授業「パブリック・リレーションズ 概論」で教えた理論に基づいて実践を学ぶクラス。5-6名編成の5つのチームが、設定されたテーマに対して、パブリック・リレーションズライフサイクル・モデルに沿って作成したプランをグループごとに発表するゼミ形式の授業です。

ちなみに、「パブリック・リレーションズ概論・特論」は、今年4月に「オープン教育センター」(学部生間の学際授業)で「学生主役の動く授業」として1200ある科目のなかの6科目の一つに選ばれる栄誉を得ています。

■半年の授業に2年分のエネルギーを注いだ若者達
「特論」は隔週に行う半年間の変則授業でしたが、各グループは授業のない日もグループで教室や学校近くの仲間の下宿先に集まり、授業以外で徹夜も含め延べ50-60時間もの時間をプラン作成のために精力的に取り組んだのでした。つまり学生たちは、半年間の授業(2クレジット)に対し2年分(8クレジット)相当の時間を費やしたのです。眠たい目をこすりながら、時間に遅れないように授業に参加した受講生の姿勢には心を打たれました。パブリック・リレーションズのプランニングを知らなかった学生の目が回を重ねるごとに輝きを増し、グループの結束力が強まっていく姿は感動的でさえありました。

7月最後の週末には、総仕上げとして、一泊二日の合宿形式による授業と試験。千葉県鴨川市の山あいにある素晴らしい眺めの早稲田大学のセミナーハウスは、クリエイティブな授業には格好の場所でした。

試験内容は、通常の倍の制限時間180分(3時間)で提示された条件のなかでPRのライフサイクル・モデルに基づいてプランを作成し論述を展開するというもの。翌日に行われた最終授業では、一人ひとりの解答案へ対して良い点、改善すべき点などのコメントをつけた講評を行いました。

最後の夜は、バーベキュー・パーティ。その後、打ち上げを兼ねた飲み会を開き、時間がたつのを忘れて夜中まで様々なことを語り合いました。

授業の最後に感想レポートも提出してもいました。そこには、受講生がパブリック・リレーションズとの出会いを通して初めて味わった想いや体験などが生き生きと描かれていました。レポートを読みながら、学生の皆さんが他者と協力して何かを成し遂げる場所をこんなに強く求めていたのかという事実に驚きと感動を覚えずにはいられませんでした。

日々のビジネスに携わりながらの講義は思いのほか大変です。しかし、パブリック・リレーションズのもつ可能性や素晴らしさを全身で受け止め、自分の持てる力を最大限に発揮しようと挑戦する学生たちの姿を見て、この授業を続けて本当に良かったと思うのです。

将来彼らがバックボーンを持って、自立した個を確立させた次世代のリーダーとして、日本や世界のために役立つ人間に成長していくことを心より楽しみにしています。
学生の皆さんそしてTAの守田哲君、ありがとう!

情熱と好奇心に溢れた受講生のレポート

今回提出していただいた受講生の感想レポートは、どれもが豊かな個性とエネルギーに満ちた素晴らしいものでした。その中で今回は授業の様子がみずみずしく描かれている、法学部3年生横澤俊之君のレポートをご紹介します。

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PR特論レポート  早稲田大学法学部3年 横澤俊之

この授業、とにかくアツかった。お酒も飲まず、朝まで発表の為に語りあかす。漫画の中でしか有り得ないだろうなって思っていたことが普通に現実で起こる。
中途半端な気持ちで終わらせたくない。そんな思いがみんなの中で凄く強かったのだろう。それ程この授業にのめり込んでいたのだ。
今まで企画というのは一人が奇抜なアイディアを出して、それに基づいて意見を出し合って修正していく形が一番なのだと思っていた。だからうちの班では企画会議から始まったし、その形式は各自が自分の早稲田をPRするのに面白そうなプログラムを持ちより、そこから厳選していくという形だった。今までの僕だったら実際最後までそのままそう進行していただろう。
しかし、それではおそらく「オーダーメイド授業」というプログラムは世に存在していなかった、もしくは存在していたとしても、今ほど重層的ではなかっただろうと思う。
数回の会議を重ねるうちに、PRプログラムを厳選していく企画ありきの姿勢ではなく、ライフサイクル・モデルに基づいて一から、やっていこうという方向性が生まれた。確認はしたものの、僕自身なかなかそのやり方を肯定しきれなかった。企画は一人で作れるものだと思っていたから。
全てのきっかけはあの日だった。そんな考えが崩れ去っていったのは。
最初のプレゼン前夜。詳細が煮詰まらない現状を打破するため、僕らは夜通し会議をすることを決めた。冒頭でも述べた“漫画みたいな世界の話”が現実となった瞬間だった。
どんな些細な考えでも共有しあった。どんな細かいところでも確認しあった。
『ここが一番の根底であり、僕らにとって一番大事なところだから』
9時間に及ぶ会議が終わり、朝を迎えたその時。
部屋一面に張られた模造紙を見た。
アイディアが膨らんでいく様子が鮮やかに表現されている。僕らが共有している全てがここにある。その瞬間痛感した。

写真は社会科学部4年 杉崎豪紀(たけのり)君

一人だけで作る企画じゃ、こんなものには到底勝てない。と。
答えのある課題じゃないだけに、自分達の力でいくらでも発展させられる。無限の可能性が広がっているのだ。そしてそれに立ち向かうのは刺激し合えるメンバー。最高に面白いと思った。
このメンバーとだったら、何だってやってやれる。
「オレたちには限界なんてない」なんてウソだって分かってるけど 、それでも「限界なんてねぇぜ」って胸張って強がる僕がいる。それくらい奮い立った。
PPTやビデオに関してもほぼ無知な状態からのスタートだったけど、それでも挑戦してやろうと思えた。それはみんなで一つのものを作っているという思いがあったから。絶対に逃げないと決めていたから。先生のPRに対する熱い想いを感じたから。他の班の頑張りも凄かったから。全てが刺激となり、僕らの力になった。
そこから先も様々なことを感じた。
ライフサイクル・モデルに対する絶対的な信頼。会議を通して知る、教科書の大事さ。会議の進行の難しさetc…
それらの全てを発揮した、最後のプレゼンを終えた時、僕は不思議なことに全く達成感がなかった。頭に浮かぶのは、もうしなくてもいいのに、次の会議いつやろう、とか、もっとここをこうしたらとか、PRのことばかり。その度に、あっもう終わったんだったと気づく。そう、最初に襲ってきた感覚は寂しさだった。
授業が終わって寂しい。そんな感覚を持てる授業が他にあっただろうか?そして今後、そんな授業に出会えるだろうか?
この授業は受講して本当によかったと心から思える講座だった。
この講座を開講してくださった井之上先生を始め、全体をサポートしていただいた守田さん(TA)、そしてPR特論の受講生のみんな。全ての人に心から感謝しています!
本当にありがとうございました!!
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