アカデミック活動
2005.10.10
後期の授業がいよいよスタート!受講生の成長を楽しみにしています。
こんにちは、井之上喬です。
今日は三連休の最後の祭日となる「体育の日」です。東京はあいにく雨模様ですが皆さんいかがお過ごしですか?
先週、早稲田大学で二つの私の授業がスタートしました。
一つは昨年から始めた学部間の垣根を越えたオープン教育センターの「パブリック・リレーションズ概論?次世代のリーダーのために」、もうひとつは大学院商学研究科(MBA)で今年から新たに始まったPR講座です。
「パブリック・リレーションズ概論」では、パブリック・リレーションズとは何か、なぜ今必要とされているのか、また米国で誕生したその発展史や戦後GHQにより導入されたパブリック・リレーションズがなぜ日本で育たなかったのかなどの歴史的考察も加えた、PRの理論と実践を教えます。
ゲスト講師には早稲田大学院教授で前三重県知事の北川正恭さんやNTTドコモ前会長の大星公二さん、米国多国籍企業日本法人トップなど各方面で活躍されているかたがたです。ケーススタディも交えながら、幅広く奥行きの深いパブリック・リレーションズを包括的に学ぶことができる講座にしたいと思っています。
総合大学では初めての講座としてスタートした昨年は、抽選による定員94名のクラスでしたが、今年はできるだけ多くの人に参加してもらいたいと考え、思い切って応募者全員を受け入れることにしました。その結果、倍以上の237名のクラスとなり、今年新築したばかりの法学部の教室での快適な授業は以前にも増して力の入ったものになりそうです。
これに対し、社会人を対象にした大学院商学研究科(MBA)でのPR講座は少人数のゼミ形式です。パブリック・リレーションズの理論に加え、実践では実務上直面している課題や成果をもとにディスカッションを行い、個々の受講生によるライフサイクル・モデルをベースにしたプレゼンテーションも計画されています。
また特別授業として、米国ペンシルバニア大学ウオートン・スクール(MBA)の学生とビデオ・カンファレンスによるケース研究を行う予定です。厳しさを増す組織体のグローバルな経営環境の中で、間口と奥行きの深いパブリック・リレーションズが、如何にマネジメントの中枢に組み込まれるべきかを理解できるような授業にしたいと考えています。
このブログでも繰り返し述べていることですが、グローバル社会で、日本が安定的発展を遂げるには「次世代リーダー」の育成が不可欠です。パブリック・リレーションズの理論と技術を習得し実践することは「自立した強い個」を育み、リーダーとしての素地を築くことを可能とします。
また、アメリカでは現在20万人を超えるパブリック・リレーションズの実務家が活動していますが、日本で広報に携わる人の数は一万数千人と極端に少なく、その殆んどは大学で正規の教育を受けていません。そして多くは組織体のジョブ・ローテーションに組み込まれ、一部を除いて広報の仕事に腰掛的に携わっているのが現状です。
パブリック・リレーションズの持つダイナミックな概念と技法を、ビジネス・政治・行政の各分野で取り入れるには、しっかりしたカリキュラムに基づき専門教育を受けたパブリック・リレーションズの実務家の養成が急務です。
これから受講生たちがどのように成長していくのか楽しみにしています。この授業で学んだことがそれぞれの人生で活かされ、役立つものとなることを心から願っています。
受講生の皆さんこれからよろしく!